むかし書いた韓国コラム #354

 地下鉄の駅に設置してある情報端末の「デジタルビュー」が気になっている。各駅に設置されてから3年ほどたつが、いまだにさわったたことがないのだ。この端末はインターネット検索や地図、ニュースなどの情報が見られるほか、インターネット電話や映画チケットの決済などができる。

 さわれない理由は、モニターが46インチと大きすぎ、何を見ているのか周囲の人に丸見えのためだ。見られて困るものを見るつもりはないが、やはり人の目は気になる。タブレット端末ですら人前では出したくない性格で、他人から見られにくい多機能携帯電話でないと安心できない。こういう神経質な性格は日本人ならではなのだろうか。そういえば日本の書店は本を買うとカバーをかけてくれるが韓国の書店にそうしたサービスはない。やましい本を読んでいるわけではないが、何を読んでいるのかはあまり人には見せたくない。

 デジタルビューの機能は多機能携帯電話でカバーできるので無理にさわる必要はないけれど。

【解説】
 10年近く前のことだが、スマホ(当時メディアでは多機能携帯電話と称していた)が普及した韓国でいまもデジタルビューは残っているのだろうか。デジタルビューにできてスマホにできないことなどないだろうから、あえてデジタルビューを使う必要もない。スマホ普及前夜ならではの設備だったのかもしれない。

(初出:The Daily Korea News 2013年5月22日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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