むかし書いた韓国コラム #880

 ソウル在住者にとってはありがたい暖かい日々に「あんまり寒くない」と不満げな日本から来た友人は、やはり「ソウルの冬は大したことない」と誤解をしているようだ。「お前の言うことは大げさすぎる」と当方が嘘つき呼ばわりされる始末だ。

 冬季に韓国を訪問しようとする知り合いには、確かにやや誇張して厳しい寒さを伝えている。これに恐れをなして訪韓を控えてくれればしめたもの。いくら遠路はるばる来てくれるとはいえ、こっちも厳しい寒さの中を外出し食事や観光に付き合うのはしんどいのだ。親しい友人ならまだしも、それほど親しくもない知り合いのために氷点下15度の街に出るのは正直苦痛でもある。

 今回の友人は親しい仲なので正直に「寒い時期は迷惑だから来ないように」と念を押しておいたが、どうもそれで好奇心に火が付いたようである。次回は絶対に厳寒の時期に来ると意気込んでいる。余計なことを言うものではない。

【解説】
 日本に帰ってくると冬の寒さは緩すぎる。東京で気温が氷点下を記録するなどまれなことであり、氷点下2桁なんてのはまず体験できない。慣れると韓国のキリッとした寒さもどこか心地よかったりもする。厳寒期に韓国に行くのはお勧めしないが、個人的には厳寒期の韓国もお気に入りだ。

(初出:The Daily Korea News 2014年1月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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