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むかし書いた韓国コラム #723

 故障したわけでもないのに携帯電話が鳴らない。交友関係の狭さがわざわいしたか。そんなことをぼやいていると、友人から「それはキャンディホンだな」とからかわれた。LG電子に同名の携帯電話モデルがあるが、その話ではない。アニメ「キャンディ・キャンディ」韓国版の主題歌は、「さみしくても悲しくても私は泣かないの」で始まる。「泣く」と「鳴る」は韓国語で区別しない。「泣かない(鳴らない)電話」ということで「キャンディホン」というのだとか。この言葉自体は数年前からあるようだが、最近になり初めて知った。

 ちなみに「キャンディ・キャンディ」の歌はその後、「耐えて、耐えて、耐えなくちゃ。どうして泣くの」と続く。つらい境遇でも泣かないのがキャンディだ。ならば「キャンディホン」のわが携帯電話も泣くのを我慢しているのだろうか。そんな我慢強さはいらないからたまには泣いてみてはどうか。こっちが泣きたいくらいだ。

【解説】
 その後何度か携帯電話を買い換えているが機種を変えても毎回キャンディホンだ。昨今は友達同士でも電話よりはメッセンジャーアプリを使うことが多く、電話が鳴ることはほとんどない。キャンディホン化している人は多いのではないだろうか。写真はLG電子の「キャンディホン」。鳴らない電話のキャンディホンになるかどうかは持ち主次第。当時の報道資料より拝借。


(初出:The Daily Korea News 2010年11月9日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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