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むかし書いた韓国コラム #788

 京畿道安山の安山駅前に広がる外国人街はなかなかにカオスだった。中国、ベトナム、タイ、インドネシア、カンボジア、ミャンマー、ネパール、ウズベキスタンとさまざまな国の人々が集まる。食材店では各国の珍しい食べ物が売られ、露店ではドリアンが普通に並んでいる。しかしちゃんと韓国人向けの商店もあり、キムチや総菜などが売られ地元の人が訪れている。あちこちから聞こえてくるのは各国の言語で、一瞬自分がどこにいるのか忘れてしまうほど。ソウルで時に感じる外国人に対する無遠慮な視線も、外国人だらけのこの街にはない。

 せっかく来たのでソウルではなかなか食べられそうにないインドネシア料理店に入ってみた。外国人労働者向けなので本場の味でありながら価格は結構お手頃。エスニック料理に飢えている身にはありがたい。

 ここには韓国で唯一と思われるカンボジア料理店もある。ソウルから1時間以上とやや遠いところだが、しばらく通ってしまいそうだ。

【解説】
 結局この3年後に1カ月ほど安山に住みながらエスニック料理店を片っ端から制覇していった。韓国人向けにアレンジされた各国料理ではなく、各国からきた外国人労働者向けに現地の味そのままの店が多く、時に韓国語も通じない店もあった。こうした外国人街は金海や東豆川にもあり、これらの街でも滞在しながら本格エスニック料理を堪能した。

(初出:The Daily Korea News 2011年7月4日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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