むかし書いた韓国コラム #998
地下鉄1号線と4号線が乗り入れるソウル駅。この駅の正式名称は実は「ソウル駅駅」だ。鉄道公社の「ソウル駅」の前にある駅なので「ソウル駅駅」という。路線図を見ても「ソウル駅」と表示されていることから確認できる。ただし車内放送では「次はソウル駅駅です」という案内はしておらず、「次はソウル駅です」と案内している。以前は「地下ソウル駅です」という案内もしていた。
ソウル駅駅ができたのは地下鉄1号線が開業した1975年のこと。当時の駅名は「ソウル駅前駅」だった。こんな駅名になったのは、当時の地下鉄ソウル駅に国鉄駅との連絡通路がなく独立した駅だったからだろう。地下鉄を出た客はソウル駅の入り口まで外を歩かねばならず、雨の日には傘が必要だった。この不便は2004年のKTX開業に合わせソウル駅が新駅に移転するまで続いた。
現在は連絡通路もあり一体化している。そろそろ「ソウル駅」に改称しても良さそうなものなのだが…。
【解説】
もっとも、「ソウル駅駅」であることを認識している人はまずおらず、駅名を変更する必要性も感じられないので今後も「ソウル駅駅」であり続けるのであろう。写真はソウル交通公社公式サイトの路線図を拝借。他の駅の駅名は「○○駅」と表記されていないのにソウルだけ「ソウル駅」と表記されているのは同駅が「ソウル駅駅」であるためである。後に開業した仁川空港高速鉄道も駅名は「ソウル駅駅」と名乗っている。
(初出:The Daily Korea News 2012年9月27日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)