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むかし書いた韓国コラム #227

 日本風居酒屋が増えるソウルだが、その店名もさまざまだ。たいていは日本語で、ひらがなの看板を掲げた店も多い。「しあわせ」「やすらぎ」など居心地のよさそうな名前から、「さくら」「たんぽぽ」など花の名前、「ゆきだるま」「いなほ」などそれぞれに日本っぽい名前で趣向を凝らしている。

 そんな中、鍾路3街の裏手を歩いていたら「あくま」という名前の焼き鳥屋を見つけた。ほかにすてきな日本語はいくらでもあるだろうに、どうして「あくま」なのか。見た目はごく普通の居酒屋で、悪魔との関連性は見られない。開店前だったので店内の様子は見られなかったが、悪魔や地獄をコンセプトにしたような店とも思えない。

 少し前に少女時代のジェシカが日本で「悪魔」というあだ名をつけられたというニュースがあったが、店主がジェシカのファンだったのか。それともデーモン小暮閣下のファンなのか。お店に行けばわかるかもしれないが、店名がこれではあまり行きたくない…。

【解説】
 その名前が悪かったのかどうかは定かでないが、1年ほどで閉店してしまい現存しない。

(初出:The Daily Korea News 2011年11月15日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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