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むかし書いた韓国コラム #904

 景福宮駅から徒歩10分ほどの通仁市場で、弁当容器を手にうろうろする一団を見かけた。市場内の店で好きな惣菜を選び詰めてもらっている。これは通仁市場が市場活性化のために始めた「弁当カフェ」なるもの。市場内で通用する1個500ウォンのコインと弁当容器を買い、市場内の加盟店で好きな惣菜をコインで購入しながら自分好みの弁当を作っていく。揚げ物たっぷりのガッツリ系でも、ナムルいっぱいのヘルシー系でも思いのままだ。できあがったら市場中央にあるカフェに戻り、ごはんとスープを購入して完成となる。

 好きな惣菜を選べるという点から、釧路・和商市場の「勝手丼」を思わせる。あちらは刺身がメインだが、通仁市場は一般的な韓国の惣菜ならなんでもそろう。5千ウォンもあれば結構なボリュームになる手頃さもあり、弁当目当てにやってくる観光客も増えているそうだ。駅からの道には参鶏湯の名店「土俗村」がある。こちらの行列にめげそうになったら通仁市場で弁当も悪くないだろう。

【解説】
 自分の好きなものだけ入れられるので、食堂で出されても好みじゃないので手を付けないような副菜は取らなければよい。完全に自分好みの弁当が作れるのでおすすめだ。写真は通仁市場公式サイトより拝借。

(初出:The Daily Korea News 2014年3月4日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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