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むかし書いた韓国コラム #149

 今月から高速鉄道(KTX)の新型車両が営業を開始した。2004年の開業からもうすぐ6年。現在の主力車両であるフランスの設計による旧型車は座席の向きが変えられないなど利用者からの不満も多かった。個人的には前の席との間隔が狭く窮屈なことが不満で、自腹で乗るときは普通席ではなく特室に乗るか、時間はかかってもゆったりとしたセマウル号に乗ることにしている。という話をすると必ず、「そんなに長い足でもないくせに」などと憎まれ口を叩かれる。見栄でもなんでもなく、足を組むことができないくらい窮屈なのだが。

 新型車両は座席の向きが変えられるほか、座席間隔も5センチ広くなったというから窮屈さも少しは解消されたようだ。まだ乗車する機会はないが、今後は特室に乗らなくても快適な移動ができるだろうか。実際に乗車する機会を楽しみに待っている。

【解説】
 セマウル号はKTXが登場するまで韓国の花形特急列車で、ソウルと釜山を最速4時間10分で結んでいた。KTXに乗ったときにがっかりしたのは車内の窮屈さだった。グリーン車に相当する特室でも席は狭く、リクライニングもあまり倒せない。セマウル号に乗る時はわくわくしたものだが、KTXはただの移動手段にすぎず乗ってもわくわくしないタイプの列車だった。新たに登場した「KTX山川」と呼ばれる車両も座席間隔が広がったとはいえ大きな違いはなく、セマウル号よりスピードは速くなったが快適な居住性が失われたことが残念でならない。

(初出:The Daily Korea News 2010年3月5日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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