むかし書いた韓国コラム #214

 江南駅から江南大路を南に向かうと「ベンベンサゴリ」に出る。「サゴリ」は交差点という意味だが、はて、「ベンベン」とはどういう意味なのだろうか。「くるくる回る」という意味かとも思ったが、ただの交差点でありロータリーのように回ることはできない。

 疑問をタクシーの運転手にぶつけたら謎は簡単に判明した。ジーンズブランドの「BANGBANG」のメーカーがこの交差点近くにあるからだという。日本語で読めば「バンバン」だが韓国語では「ベンベン」だ。「BANGBANG」がある交差点だから「ベンベンサゴリ」というわけ。言われてみれば実に簡単な由来だった。

 そのベンベンサゴリに降り立ってみるが、肝心のBANGBANGは見当たらない。角にあると思い込んでいたが、角にある大信証券の隣だった。普段は気に留めることもない地名だが、ひとまず由来を知ることができてすっきりした。

【解説】
 より正確に書くと、交差点の角の最も目立つビルがBANGBANGの本社ビルだったからこの名前が付いた。コラムを書いた当時はこのビルの1階に大信証券があり、隣のビルにBANGBANGのショップがあったが、以前はこの角のビルにBANGBANGが入っていたらしい。2012年ごろに大信証券が別のフロアに移り1階に再度BANGBANGのショップが入った。もともとこのビルは大信証券が所有していたが、BANGBANGに売却されたものという。現在1階には現代自動車が入っている。

(初出:The Daily Korea News 2010年4月6日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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