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むかし書いた韓国コラム #732

 このところ韓国で話題になっているのはソウルのランドマークのひとつとなっている汝矣島の「63ビル」だ。人気ドラマの中で、「63ビルは60階建てだそうだ。話にならない」というシーンが出てきたため。実際に63ビルは60階建てで、地下3階の分も含めて「63」を名乗っている。これを受け多くのネットユーザーは「知らなかった」「だまされた気分だ」などと憤慨しているらしい。

 63ビルの名称が地下フロアを含めた「上げ底」であることは常識だと思っていたが、そうではなかったようだ。むしろこの「常識」は日本のほうが有名らしい。日本には完工当時東洋一の高さを誇った「サンシャイン60」がある。63ビルはこれをわずかに上回る高さで建てられた。その悔しさからか、以前日本で販売されていた韓国のガイドブックには「63は地下3階分を含めたもの」と必ず書かれていたものだ。

 ちなみにサンシャイン60は地下4階まである。フロア数では63ビルに負けていないのだ。

【解説】
 南山のソウルNタワーも、東京タワーの333メートルを意識したのか、「高さは海抜479メートルです」と南山の標高まで含めて案内していたりする。上げ底にしてまで日本に勝ちたいという韓国人の涙ぐましい努力なのか。

(初出:The Daily Korea News 2012年6月18日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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