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むかし書いた韓国コラム #982

 駅に貼られた案内で地下鉄2号線の新川駅の駅名が15日付で変わったことを知った。松坡区にある「新川」はカタカナで書くと「シンチョン」で、西大門区にある「新村」と似ていることから、日本人には区別が困難な駅だった。同じ2号線にあることも混乱の元だった。韓国人ですら混乱していたというのだから駅名変更もやむなしだったのだろう。新しい駅名は「蚕室セネ」。「セネ」とは新川を純韓国語にしたもの。「セ」が「新」、「ネ」が「川」を意味する。

 蚕室セネ駅の隣は蚕室駅で、さらにその隣は蚕室ナル駅だ。蚕室ナル駅は2010年に城内駅から名前が変更された。こちらは江東区城内洞にあると勘違いしやすいのが変更理由だ。

 かくして2号線には「蚕室セネ」「蚕室」「蚕室ナル」と、蚕室の名が付く3つの駅が誕生した。新村と新川を間違う心配はなくなったが、3つの蚕室は別の混乱を招きそうな気がしないでもない。間違えても新村と新川ほど離れているわけではないので実害は少なそうではあるけれど。

【解説】
 過去には5号線の「光熙門」駅が同じ5号線の「光化門」駅と紛らわしいとして「青丘」に駅名を変更している。駅名を変更するとすべての駅の地図の修正や車内の案内モニターのデータ修正など、そのコストは意外と多額になるのだから最初から既存の駅名や地名と紛らわしくないかちゃんとチェックしておけばいいのにと思う。

(初出:The Daily Korea News 2016年12月27日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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