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むかし書いた韓国コラム #807

 来年から公衆トイレの個室に置かれたごみ箱が撤去される。このほど公衆トイレなどに関する法律施行令の一部改正案が閣議を通過した。快適なトイレ利用のためごみ箱をなくすものだが、女性用の場合には衛生用品回収箱を設ける。

 行政自治部によると、トイレのごみ箱は1988年のソウル五輪を控え、汲み取り式から水洗式にトイレが置き換えられる過程で、新聞紙や質の悪いちり紙の使用で下水管が詰まるのを予防する臨時措置として始まり、これが現在に至るまで続いているのだそうだ。現在では下水管が詰まらないトイレットペーパーの使用が一般化していることからごみ箱撤去に踏み切ることにした。

 韓国ではいまだに「トイレットペーパーを流すと詰まる」と信じられており、高級ホテルでもトイレにごみ箱が置かれているケースがある。今回の措置は政府がトイレにペーパーを流してよいとお墨付きを与えたようなもの。トイレの先進化で快適度も改善されそうだ。

【解説】
 ペーパーを流すと詰まるのではなく、水圧が弱くて流れないというケースの方が多かったのではないだろうか。そういえば引っ越しの部屋探しをする際は日当たりや間取りよりも、トイレで紙を流しても大丈夫かどうかが重要だった。最近の家なら問題ないのだろうが、古い建物だとちょっと心配だ。写真はとある店のトイレの張り紙。「便器にトイレットペーパーなど異物を捨てるな」とのこと。さらに「できれば大便禁止」とか。そんなに水圧が低いのだろうか。

(初出:The Daily Korea News 2017年5月10日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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