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むかし書いた韓国コラム #890

 韓国に以前「コーラ独立815」というコーラがあった。コカ・コーラなど海外ブランドが独占するコーラ市場に国産コーラで殴り込みをかけるという意欲作だった。誕生したのは通貨危機真っ最中の1998年で、時代的背景とともに愛国心あふれるその名前が受けたのか、一時は2けた台のシェアを確保するほどの人気を得た。しかし、製造元の経営難により2004年に生産は中止されてしまった。それから10年が過ぎ、このほどある飲料メーカーが同ブランドのライセンスを受け生産を開始し、来月2日から販売を始めることになった。過度な愛国マーケティングに外国人としては手を出しにくい商品だが、かつては人気商品だっただけに、復活を喜ぶ韓国人も多いだろう。

 どうせ愛国マーケティングなら、現在開催中のサッカー・ワールドカップの時期に合わせて発売すれば、韓国代表を応援するファンにも歓迎されたのではなかろうか。せっかくの復活だがマーケティングとしては少々もったいないことをしたかもしれない。

【解説】
 1998年に登場したこのコーラは、姉妹品に「サイダー独立815」という製品もあった。生産元が倒産したため2004年頃までに生産が中止された。その後2014年に別の企業がライセンスを取得したというのが今回のコラム。それも2年ほどで生産が中止されたが、2016年には飲料大手の熊津食品が再度発売した。現在でも販売しているのかは不明。写真は朝鮮日報1998年5月4日付に掲載された全面広告。

(初出:The Daily Korea News 2014年6月27日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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