見出し画像

むかし書いた韓国コラム #258

 ソウルの地下鉄は車両端部の3人掛けのシートが優先席になっているが、このほか1両当たり2カ所に妊婦用の優先席が指定されている。しかしながら認知度は低く、せっかくの優先席も活用されていないのが実情だ。優先席であることを示すステッカーが張られているだけなのでわかりにくいという事情もある。そこでソウル市は妊婦優先席のモケットをピンク色に変えることにした。床部分もピンク色にし、ステッカーも新しくした。かなり目立つデザインで認知度向上に期待がかかる。ひとまず2号線と5号線で試験運営した上で全路線に拡大していく考えだ。

 ところで妊婦優先席は7人掛シートの端に設定されている。人間の行動心理学的に端の席は好まれる傾向にあり、空いてる電車でももともと競争率が高い場所だ。また、スマホに見入っていると優先席であることに気付かずに座ってしまう恐れもある。果たして妊婦優先席は定着するのか。今後が注目される。

【解説】
 その後、妊婦優先席にはぬいぐるみが置かれたり、釜山では発信器を持っている妊婦が2メートル以内に近づくと妊婦優先席に取り付けられたランプが点灯し席を譲るよう促すシステムが導入されたりもした。

(初出:The Daily Korea News 2015年7月24日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?