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むかし書いた韓国コラム #852

 写真屋で証明写真を撮ったら背景が黒いことがあった。髪が背景にとけこんでしまい、証明写真の用をなさない。撮り直しを頼むと「大丈夫だから」と意に介さない。そして驚いたことに、この写真が外国人登録証の写真としてちゃんと受理されてしまったのだ。日本では背景は明るい色というのが基本のはずなんだが。

 あるときは証明写真に使うのに、顔のほくろをコンピューターで修正された。頼んだわけでもないし、公的書類に使う写真を修整してもいいのだろうか。きれいに撮れると評判の「スターショット」で撮影した写真も証明写真に使えるという。撮影時に「笑って」と言われたこともある。

 最近はデジタル一眼レフを提げて歩く人も多く、みんな撮るのも撮られるのも好きなのだろう。にっこり笑って若干の修整を施すなど、証明写真といえども思い切り楽しんでいるようだ。

【解説】
 修正を加えてなにを「証明」するのか。ほくろが除去されたら本人ではないと判断される恐れもある。ただ、厳寒期に写真店を訪れ証明写真を撮った時は、寒さによる顔色の悪さを自然な感じに修正してくれた。これはありがたい修正の事例なので、一概に修正は悪いとは言い切れないのだが。

(初出:The Daily Korea News 2009年12月7日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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