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逃げた方がいいのかも

子どもの頃、当時、近鉄バファローズの鈴木啓示投手の「投げたらアカン」というCMがありました。私の中では、「投げたらアカン」→「逃げたらアカン」と変換されて、今でも自分の判断に影響を与えています。

私がパニック障害症状に悩まされるようになったある日、NHKで不安症に関する番組を観ました。不安を避けると不安はより大きくなるというような内容でした。当時の私には避けたいことがいくつもありましたが、何とか避けずに(逃げずに)こなしてきました。

そんなことがあり、はっきり意識していたわけでありませんが、「逃げるのはよくないこと」というのが、私の行動指針となっていました。それとは反対の「人生の9割は逃げていい」という本が目にとまったので、読んでみました。

以前、やめる本を紹介して、今回は逃げる本と、私はなんとネガティブなのだろうかとも思います。前向きな本を読んだ方がいいのかとも思いましたが、ここは人目を気にせず、今の心が求めている本を読んでみました。実際、読んだ方がいいと思う本よりは、気になる本の方が一気に読めてしまいます。違ったのは、必ずしもネガティブな本ではないということです。ある意味、超ポジティブな思考でした。

私は、本を選ぶ際、著者のプロフィールを確認することが多いですが、この本は実体験をベースにしており、プロフィールだけでも説得力があります。いじめられ続けて「中高で5回の転校」「大学中退」、日本からも逃げ、嫌な仕事からも逃げ、今では成功しているという経歴です。

「逃げる」というと悪いことのようですが、その分、自分のやりたいことに集中したり、新たな場所を探したりすることになるので、逃げずにがんばるより、よほど良いことなのかと思うようになりました。

向いていない仕事(やりたくない仕事)をがんばっていると、時間がかかります。がんばってやってしまうと、次からも、その仕事を頼まれます。そんな仕事は断って、他の仕事で成果を出した方が、よほど良いです。苦手克服というのもあるかもしれませんが、人生は有限なので、そこに時間をかけるはもったいないです。

合わない環境から逃げない弊害に関して、ノミの話が印象に残りました。

ノミは本来、1メートル以上ジャンプすることができます。しかし、ノミにコップをかぶせて、その環境の中で生活させると、コップの高さ分しかジャンプできなくなってしまうのです。結局、コップを外しても、それ以上ジャンプすることはできないのです。

今まで、会社や地域など、環境に順応しようとがんばってきた気がします。がんばることで得られた能力もありますが、失った能力もあるのではないかと怖くなりました。

水は流れないと腐っていきますが、川に流れ込めば、大きな河川に合流し、大海に出ていきます。そんなことも考えました。

私は、目の前の与えられたことを、とにかくがんばるという生き方をしてきた気がします。やりたくないことや苦しいことに悩んでいるのであれば、そこから逃げて、本当にやりたいこと、自分も周りもイキイキすることを探した方が楽しく有意義なのではと思うようになりました。「そうは言っても……」といろいろ逃げられない理由が浮かんできますが、小さなことからでも、ポジティブに逃げていこうと思います。

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