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畑で学んだ共生

昨年から市民農園を借りて、野菜作りをはじめました。私も妻も実家は農家ですが、少し手伝うのと、自分でやってみるのは大違い。知らないことだらけだと気づきました。まだまだ初心者で、ネットで聞きかじった知識が中心ですが、初心者だから感じたことをお伝えしたいと思います。

雑草

市民農園を借りる時に、「草ぼうぼうにならないようにだけはしてください」と強く言われました。それを聞いて、草取りだけはしっかりしようと思いました。
とにかく雑草を見つけたら、片っ端から引っこ抜いていました。根からしっかり抜いておけば、2度と生えてこなくなり、畑にも良いだろうと思っていました。
ある時、ネットで、「雑草は根を残した方が良い」という記事に出会いました。雑草の種類にもよりますが、雑草を根から抜いてしまうと、土が固くなってしまい、野菜にも良くないそうです。また、抜いた雑草も重ねておいたり、土に埋めておいたりすれば、堆肥になるそうです。雑草マルチといって、そのまま土の上においておけば、保温効果があり、意外ですが雑草対策にもなるとのこと。まさに目からウロコでした。
それ以来、雑草を見つけると、根を残して、カマで刈るようにしています。燃えるゴミに出すこともなく、重ねておくか、野菜の近くに置いています。マルチ(うねをおおうシート)や堆肥を買うこともないので、環境にも財布にもやさしいです。

雑草マルチ(のつもり)

受粉

今年は、カボチャとスイカも植えました。植えましたといっても、苗を買ってきたわけではなく、食べ終わった種を残しておいて、まいただけです。捨てているはずの種なので、大きな期待はせず、うまく成長したらもうけものぐらいの気持ちで、水やりなどをしていました。そうすると、カボチャもスイカも芽が出て、ツルものびてくれました。どちらも四方八方に広がるので、元々、想定していた区画をはみ出して、大きくなっていきます。豊作の期待が膨らみます。
実家に電話して話すと、母は「ウチのカボチャも大きくなったけど、雌花ばっかりで、雄花が咲かんでアカンんわ」と言っていました。気にしていませんでしたが、やたらツルはのびて、葉も大きくなっているのに、実がつく気配がありません。雌花や雄花について意識してもいませんでした。言われてみれば、受粉しないと実はなりませんね。知識として頭にあるのと、実際に理解しているのは、違いますね。スイカもカボチャ同様、実がなる気配がありません。
ネットで調べると、雌花と雄花があれば、ハチやチョウが受粉してくれるが、そうでなければ人工授粉しないと実がならないとか。人工授粉にトライしようかと思いながら、農園に行くと、大きくなってきたカボチャの実を発見しました。カボチャの近くにハチが飛んでいました。これまでハチは、刺されると痛く、いない方がいいものと思っていました。コウノトリを見るような気分で、初めて、ハチを見て「ありがとう」と感じました。

カボチャ
スイカ

共生と役割

家庭菜園をはじめるまで、雑草もハチもじゃまなものとしか考えていませんでした。しかし、どちらも役に立っていることを知りました。草がまったく生えていない土地は、野菜作りに向いていない土壌になります。ハチやチョウがまったくいないと受粉もしません。
社会でも、一見、不要なものも役に立っていることがあるのかなと、ふと思いました。自分自身も、たいして人の役にも立っていないとネガティブな気分になることがありますが、みんないろんな形で、役に立っているのだろうと思います。役割が違う多様な人や物が共生して、社会は回っている。畑から、そんなことを考えました。

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