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【毎週ショートショートnote】感想文部

本の形をした扉。憧れの感想文部の部室だ。

「失礼します!」
扉を開くと、400字詰原稿用紙の床が見えた。
『新入部員さん?それとも、侵入部員さん?』
「入部希望です!」
『夏目よ、歓迎するわ。うちの部は感想を伝えて、この部室の床のマスに自分の居場所を作っていくの』
夏目先輩のマスには猫がいた。
『どう?』
「制限の中で自分の可能性を探るとは鮮烈です!」

それから、川端先輩の雪国を抜け、村上先輩に『やれやれ』と見送られ、太宰副部長のマスまできた。
『素晴らしい感想だ。私など副部長失格だ』

ついに、部室の奥に建つ巨大な門まで辿り着く。羅生門だ。
「芥川部長、入部させて下さい!」
『この部で何をしたいんだ?』
喋る門。
「作者の思いを読み解き、寄り添いたいんです!」
開く門。
『名前は?』
「一年の宮沢です!」
先輩たちのマスを縫うように進んできた銀河鉄道に乗り、私は羅生門の中へと入っていった。

(400字)

【副題】文豪ブックリポーターズ

4週連続でたらはさんの企画に参加させていただきました!いつもありがとうございます!

読んだ方がワクワクしたり、楽しい気持ちになったり、笑ってもらえることが、自分にとっての何よりの創作のモチベーションになるなぁ、と最近、改めて感じています。何よりも書いているときの自分が楽しんでいるかどうか。
今回は文豪の方々にも、ゲスト出演していただきました!

楽しんで読んでいただけますように!

文章や物語ならではの、エンターテインメントに挑戦しています! 読んだ方をとにかくワクワクさせる言葉や、表現を探しています!