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阿波しじら織り 現地仕入れレポート

18世紀の末に阿波地方で盛んに織られていた「たたえ織」という木綿縞を
明治時代の初めに、海部ハナがそれを改良して創案したと言われています。
干していた着物がにわか雨に濡れてそのまま日光で乾かしたところ、
縮んだことにヒントを得て創られたと言われる説が定説となっています。
特徴は、シボという独特の凹凸で、縦糸と横糸の本数と組み合わせによる張力差により生み出されています。
張力差を計算して柄や模様を整えることから、卓越した技術と経験を要しますが、シボがあることで、肌触りがよく、軽くて、汗をかいても肌に張りつきにくいなどがあります。

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うっかり濡らしてしまって新たな技法を考案したという面白いルーツでした。様々な地方の織物を見るなかで、女性が仕事や日常の中から新たなモノを生むという事が多く感じます。
仕事をする女性の発想は、伝統をも創るアイディアが日々を通して詰まっているのだと感じました。

藍布屋の岡本さんと様々なお話させて頂きました。
去年、伝統工芸士である旦那様が他界されてしまい、今後どうしようか考えたそうです。
技術や伝統を残していくのは厳しいですが、社員の皆さんの思いもあり、頑張って続けていこうと思います。
というお話をお聞き、僕は藍布屋さんの生地で製品づくりをしたいと心から思いました。

現場に行かないと経験できない事があります。
現場に行く結局の本質はここにあります。

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