キャリアとは人生そのもの

人は生きていくうえで、様々な出来事に遭遇し、また、いろんな人と出会う。

①前々職の時の話ではあるが、ちょっとしたアイデアから部下がプロジェクトを立ち上げ、みんなでやろうと言い出した。
ショップスタッフの必要とするスキームなどの習得状況や研修参加状況などを明確化すること。合わせて、人材育成と評価のプログラムを作成。
その取り組みとプログラムが認められて実際に全社に採用されて、社長賞をもらった。
私はサポートしかしなかったが、プロジェクトメンバーがその報奨金、なんと100万円!で、温泉旅行に連れて行ってもらった。
そのメンバーたちは今も頑張って偉くなっている。

②また、前職に転職して1年半ほどのときのこと。とある駅前でイベントを行っている時に、ふと花壇の水やりをされている方がいて、声をかけた。その駅前には井戸があり、その井戸水を使って水やりをやられているとのこと。しかし、町会のメンバーは高齢者も多く、毎日行うことが難しいという話だった。私たちでお手伝いができないか、相談してみます、と言ってその場は別れた。

その話を会議で相談したところ、「常在戦場」を常とし、私の営業スタイルを嫌う部下である部長から、「自分がやります」と、言い出した。
彼からすると、転職してすぐにいきなり自分の上司になり、しかも女性であることが、ずっと気に入らず、事あるごとに噛みついていた。
そんな彼が自分に水やりをやらせて欲しいと、言い出した。

それで彼に任せることにした翌日、
駅前で水やりをされていた町会長さんが訪ねてきた。私たちのサービスを検討したいので説明してほしいとのことだった。
その時、営業スタッフは全員出払っていたが、部長である彼が自分が説明すると言って対応してくれた。

結果として、サービスの契約も決まり、駅前の花の水やりだけでなく、そのエリア周辺の花壇の水やりや、これまで参加もしなかった朝の清掃活動にも参加するようになった。

あれから14年くらい経つが、ある時、彼から電話がかかってきて、今の私の会社や地域のことで相談があると言ってきた。
あの水やりの出来事が、私へのわだかまりを少しでも楽にさせるきっかりになったのであれば、嬉しいことである。

いい出来事もあれば、辛くて苦しい出来事のほうが多かった。

③営業課長に昇進早々に、取引先との様々な交渉で前任者の残したクレーム対応や期日のない契約締結交渉、早期に対応しないといけない案件が山積み。
仕事が人を育てるとはこんなことかと今から思えば、この経験があったからこそ、今の自分があると思う。

・加盟店倒産に伴う、商品未発送のまま多額の不良債権処理を行なうため、当事者である会社の状況把握や債務者への対応、債権管理部門との調整など、何とか不良債権として処理ができるまで1年以上かかった。

・取扱商品の縮小方針に基づき、「初めまして、さようなら」というマイナスの営業を短期間で行った。辛さを感じつつも、やることが多くて、落ち込んでいる暇などなかった。
別のサービスローンを扱う会社が倒産し、加盟店契約にも問題はあったが、利用している債務者への対応と債権処理に奔走。

:スタッフを減らされたことで、クライアントへの提供情報の整理をする必要もあり、その交渉や個人情報関連の契約書の締結の説明なども含めて、着任後、すぐに対応せざる案件が集中。
スタッフも体調不良になったり、自分も本当に首が回らなくなった。

・ある程度、落ち着いた時に、一番頼りにしていたスタッフが組合の専従に行きたいと、言ってきた。
そのスタッフのことを考えると、承認せざるを得なかった。

④支店長の頃、仕事のことだけでなく個人的なことで悩んでいたスタッフと連絡が取れなくなった。
ようやく連絡が取れたら、自殺するのでとある駅のホームにいるという。
それを踏みとどまらせるために、話を聞き、迎えに行って、甲府に住む実家まで連れて行ったことがあった。既に時間は夜中の1時を過ぎており帰宅したのは3時頃だった。
そのスタッフはその後、元気に働いていたらしい。
そのスタッフの心の声を聞いてあげることの大切さを痛感した出来事だった。

出会いで言えば、これを縁と思うかである。

・これまで4回転職してきたが、そこで一緒にした仲間とは今でも連絡を取り合っている。
また先日は16年ぶりにあった後輩は大手企業の役員を経て、IT系へ転職し、自分の道を歩いていた。
その16年ぶりに会うきっかけとなったのは、ここ数年、いろんな方からの彼女と会って私の話を聞く機会が増え、とうとうFacebookを通じて、彼女から連絡してきた。

16年の時はあっという間に縮まるものだった。

・今、いろんな方と会食をするが、一番楽しいのは一人飲みでであったお店の常連さんたちとの会食である。
全く仕事から切り離され、本当の意味でのプライベート。
仕事も全く異なる方達との交流は自分を自分に戻してくれる。

・仕事でも社内ではなく、同じ業界の方との交流も自分を高めてくれる。

30代の営業課長の時の様々な経験や出来事が自分の血となり肉となっていった。
30代、40代の管理職において、女性であることだけでの誹謗中傷を受けたこともあるが、反面、リスペクトしてくれた人たちもいた。

50代後半の今、振り返ると、今の自分を作ったのは、そんな様々な出来事や人との出会いだと思う。

いろんな出来事や出会いはあるが、判断するのも自分、他人の力を借りることも自分の選択。
様々な人との出会いにより、多様性を受け入れるようになったことも自分を成長させてくれた。

何だか、整理のつかない文章となったが、振り返ればキリがない。
でも時に振り返ることも大事だと思う。

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