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高校への合理的配慮の伝え方

発達の凸凹があること。
個性の凸凹があること。
それは、一線をこえると「障害」という判断に至る。
自閉スペクトラム症。見た目にはあまりわからない場合が多いし、単にワガママと言われてきた。
私も、家庭での躾の責任だとずっと悩んでいた。
でも、年齢を重ね、よくよく、彼を知っていくと、そんな風に考えるのね…(笑)!面白いなあ…と言ってくれる先生との出会いもあり、たくさんの人にご迷惑をおかけした日々は決して忘れることはできないけど、彼の独特な感性は、本当に興味深い。
今では、TVやネットでもよく耳にする「発達障害」の分類について、あの頃は「様子を見ましょう」と、数カ月に1度の通院で相談するだけでは、診断を受けるまでに5年もかかってしまった。
学校という、彼らにとってのストレスの場において、周りからの理解を得るまでにも相当時間がかかるし、理解は得れない場合の方が多かった。これは、診断書をもらってからも同じであった。
何かのトラブルが起きてから、対応にまわることで、周囲からの評価は、だんだんと冷ややかなものへ変わっていく。何度もその繰り返しで「変わってる子」として、幼稚園、小学校を過ごし、中学はオンラインの自宅学習で義務教育を修了し、医療での療育を受ける機会も得られなかった。
それでも、その間、通級支援の先生やクラスに1人か2人いてくれる理解者、プログラミングの先生…彼の得意と不得意に目を向けてくれる人たちとの出会いが彼を導いてくれた。彼との向き合い方のヒントをたくさん頂いた。
家族だけでは、彼の自己肯定感を少しも高めることはできなっかたと思う。
高校進学は、自ら親元離れることを選択した。

告知をしなくてはいけない。と思った。

もしくは、サポートを受けることについて、障害という言葉でなくとも、本人が困っていることを家族以外の人に相談できるように伝える術を訓練しておかなくてはいけない。と思った。
長男が通う高校では、義務教育期間中の様な個別に支援の先生がついてくれる仕組みでわけではなく、コーディネーターの先生へ、サポートを受けるために依頼書をだし、自分の口で自分の得意と不得意を伝えられることから始まる。
交渉し、周囲との折り合いをつける必要がある。
ただ、本人へのこの「告知」には、私は何度も失敗している。
「苦しいね、でもさ、それ病気だから、病院に相談できるんだよ」
こんな言い方は、絶対にダメだった…。
でも、あなたが悪いのではない。ただ、そう言いたかった…よい方法を相談できるんだよ…と。
家族といるときは、いつも平和だったし、冗談も言うし、家事も協力的で、思いやりある行動も言葉もくれる。それは、弟や主人より多いくらい。
そんな長男の返答は、泣きながらの訴えだった。
「俺は普通をずっと考えてきた。普通になろうと考えてきた…」
「病気って、欠陥品ってこと?治らないってこと?」
「もう、努力しても普通にはなれないってこと?」
と。
ごめんね。ママがいつも君の自尊心を傷つけてしまうね…
なんて伝えたらいいのか…まだ答えはでないままだけど、離れてからも、時々下宿先を訪ねて、彼の新しいチャレンジと頑張りを見守っていく。学校との間に入って、通訳者になる。
一歩ずつ、重ねていくしかない。
やれるとこまで、やってみよう!
帰ってきてもいいしね!

※追記~文部科学省のHPにある「別紙 合理的配慮等の具体例」を参照し、我が家では合理的配慮の依頼文を作製しました。(在籍中学の先生とも相談し作成。)その後、具体的な支援計画書を高校より返答として頂く流れでした。どなたかの、参考になれば…と記します。

・ストレスがたまってくると、暴言や行動が荒くなる場合があるため、クールダウンのスペースや保健室等の避難場所をあらかじめ設定していただくことを希望します。
・予定の変更が苦手であるため、変更がある場合は前もっての周知や段取り確認を希望します。
・人前での発表や痛みを伴うスポーツ活動は皮膚感覚が過敏であり代替え措置を希望します。
・本人が不適切な行動をする場合、本人自身が何かに困難を感じていると理解して頂き、話を傾聴していただくことを希望します。
・具体的にどう振る舞うべきかという点においての指導を希望します。
他…