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できるだけ多く取り入れたい「心身をむすぶ」ために大切な動作とは。


それは、嫋(たお)やかで『道・タオ』やかな呼吸。


《体が緩んだ後にでてくる痛み》

前回の新月と生理が
重なりそうだったのと、

このタイミングでとことん
骨盤の動きに合わせて、

体を緩めるだけゆるめてみようと思い、

緩みながら体がどうなるか
観察・検証していました。

とってもゆるゆるできて気持ちいいな~、
こんなに緩めたのはいつぶりだろう、、、
と思うと同時にその反面、

首周りの通りがやっぱり悪いなーと、
ここ数年の間に少しずつ蓄積していた
コリ・偏りをずっしりと感じました。

緩まったら終わりではなく、
むしろその蓄積したものが背骨を軸に、

首・頭部・背中・腰ときて、右肩・右腕へ、
ゴゴゴゴ・ミシミシ・メキメキと
痛みとして浮上してきました。



痛みという、体内でコリ固まったものが
柔らかくなっていくのを感じると同時に、

改めて生命が宿るこの肉体は
磁気を帯びた'振動体'なのだと思いました。



そしてこんなに痛みを感じるほどの蓄積が
体にあったのかと気づけて、

痛みが出てきてくれたこと、
痛みを感じれることに感謝しながら、

体にもともと備わっている治癒力に委ねて、
自分の体の現象を感じ、観ていました。

やっぱり疲れやコリの蓄積は
ある程度のところでしっかり
解放してあげないと、

溜まればたまった分だけ
体感的な反動が大きくなるなと
痛感・反省です。



《できるだけ取り入れたいお月やすみ》


なるべく生理前と生理中は予定をつめない、
せわしなく動かないように
心がけているのですが、

ここ数年はそういうわけにいかず、

女性の体において
自分が思うほどの『寄り添い』が
できていない後ろめたさもありました。

けれど今回の生理はできるだけ
存分に寄り添うと決め、

ゆったりとした心地よい服、
体が欲しているものを食べる、

横になるときは
ふかふかの毛布にくるまって、

膣ケアを行い、
脳・ホリデーで心も体も緩んだ状態で
存分に《心地よい呼吸》ができました。

久々にこの感覚を味わえて
毎回はできなくても、

年に何回かは生理・ホルモンの周期、
骨盤の動きに合った整い方(お月やすみ)
ができたらいいなぁと思いました。


《体の内側から外側に至るまでのハーモニー》

心も体も緩んだ状態でする
嫋(たお)やかな呼吸は、

「吸う」・「吐く」の動作と一体化するので、
呼吸に寄り添っている感覚になります。

*嫋やか・・・しとやかで柔らかなさま。しっとりと優しいさま。



嫋やかな呼吸は、
肺の動きに合わせて
呼吸筋や骨が動いてくれて、

しかも体の一番外側の皮膚も
その動きにゆったりと合わせてくれるので、

呼吸を基準にした
全身のハーモニー感がとても心地よく、

微細なエクスタシー感漂う
呼吸になります。

(イメージでいうと
ネコちゃんやワンちゃんが
『へそ天』して、至福感たっぷり
気持ちよさそうに寝ているあの状態。)



皮膚は一枚でつながっているので、

皮膚の内側にある筋肉などが
固くなってるか、緩んでいるかで
皮膚の動きや皮膚感覚も当然かわります。

(痛みがなくても筋肉が
縮こまっているだけで、
感覚的には不快な状態になります。)


体の深奥での緩みには、
内臓から皮膚に至るまでの
柔らかなハーモニーが必要なのですが、

これができると毎日に何回もする
何気なく行っている排泄時において、
体の内部からの振動に爽快感をかんじます。


そして体のハーモニーでいうと、
1カ月の中で骨盤が一番開いている生理の時、

骨盤の動きに合わせて
ほかのパーツの骨も動き、
あわせて頭蓋骨もひらくので、

できるだけリラックスタイムを
優先して作ることをお勧めします。



自然に呼応する呼吸。『水になれ(by ブルース・リー)』

Empty your mind, be formless, shapeless—like water.
(心を空にし、形をなくす。それは形がない水のようなものだ。)

Now you put water into a cup, it become the cup.
(水はコップに入れれば、コップの形になる。)

You put water into a bottle and it becomes the bottle.
(瓶に入れれば、瓶の形になる。)

You put it in a teapot, it becomes the teapot.
(急須に入れれば、急須の形になる。)

Now, water can flow or it can crash.
(水は流れることもできれば、打ち砕くこともできる。)

Be water, my friend.
(水になれ、わが友よ。)

【『Be water, my friend: The teaching of Bruce Lee』Junglecity.com】


上記はブルース・リーの有名な言葉で、

もう1つ有名な
「Don't think,  just feel.」
(考えるな、感じろ)
にもあるように、

ブルース・リーが体の動きにおいて
特に言いたかったのは、
『水のような'受容'のあり方・動き方』
ではないかなとおもいました。


(ちなみに「Be water」は
宮本武蔵の『五輪書』からきているのでは、
と言われています。)


他にも水の柔らかい動きでもって
相対するものとむすぶ武術に、
「合気道」があります。


合気道と古事記・神道との
関係性を綴った本には、

「水が終始、自分の肉体を囲んで
水と共にうごくのである。

すなわち相手が打ってくれば、
水と共に開くから打ち込まれない。
『合気神髄』」

自らが⦅水⦆になるということである。

合気道において⦅水⦆の働きが
重要であることが明らかであろう。

〚P.72〛

【古事記と植芝盛平~合気道の神道世界~】

とあります。

(インストラクター時代に、
合気道を体得したいと思って
体験入門しましたが、
一日で終わりました。)

しなやかで柔らかい動きがもつ強さ。

身近な言葉でいうと、
「柔よく剛を制す」が
近いかなと思います。

いくつかの東洋武術において大切な
「水になる」「水のような動き」。


その水のように柔らかくする動きを
突き詰めると、「呼吸」になります。

出会った相手との「むすび」が
生ずるか否かは「呼吸」にある。

実際に「むすび」を生じさせ、
技につなげる鍵になるのが「呼吸」なのです。

内丹術では究極的な呼吸を
「真息」「胎息」等とする。


代表的な内丹経である『霊源大道歌』には
真息を、人が「虚」を認識した時、
自ら呼吸は真息になると教える。


真息は何か特別な呼吸の技法を
会得することによって得られるのではなく、

本来自分が行うべき呼吸をしている状態に
導くことで、自ら発生するものなのです


盛平は呼吸について、
「天の呼吸、地の呼吸(潮の満干)を
腹中に胎蔵する」と述べている。

天地の呼吸とは何かというならば、
それは「呼応」の呼吸であった。

〚P.26,27〛

【古事記と植芝盛平~合気道の神道世界】


ブルース・リーがいった
「Empty your mind.(心を空にする。)と、

「人が虚を認識した時、
自ら呼吸は真息になる」は、

体の動きが水のように
柔らかくなる点において、
共通する感覚だとおもいます。


「真息」と「呼応する呼吸」は
そのまま「受容する」に通じ、


その受容のありかたを
一番わかりやすく説いているのが
老子の「道(タオ)」です。


『無為自然』。


タオに出会うまで、
《受容》の感覚を全く知りませんでした。

タオを知ってから
本来の呼吸とはこういうことかと、
人生30年生きた時に

自分の体で繰り広げられる
嫋やかな呼吸にやっと出会えて、

「生きている」を全身で
感じれたことにとても感動しました。

この時初めて私の中の女性性に
血が通いました。



きっとタオに出会っても
受容の心の器が無く
頭で理解して終わっていたと思います。


真息を通して心と体をむすび、

呼吸に寄り添う
体に寄り添う
体の循環に寄り添う。



この時ただ
「今に在れ」て、
「自分に在れ」て、
自然と心も体もゆるまります。



喜びの呼吸。

悲しみの呼吸。

怒りの呼吸。



あらゆる意識状態と共にある呼吸。

「生き」ているは「息・呼吸」をしている。


生命に最後まで寄り添ってくれる肉体。


その肉体がなるべく
快適な空間としてあれるよう、

できるかぎりにおいて
呼応する呼吸をベースに
あらゆる体内循環に寄り添っていく。



それが天と地とに挟まれた'人間'がおこなう、
営みの原型の1つと思います。(完)


《あとがき》

高校生の頃持っていたガラケー。

ブルース・リーのストラップに
一目ぼれして即決で買いました。

ユラユラゆれる
ヌンチャク持ったブルース・リーに、

サンリオやディズニーの
ストラップをつけてる友達からは、
かわいいの同意を全く得られませんでした。

左から2つ目のブルース・リー。
とてもお気に入りだった。
引用元:楽天ショップ「天宝堂」さんより

*****

合気道をきっかけに
日本という国に興味を持って以来、

和歌山県の南部に行く際にはなるべく、
合気道の創始者である植芝盛平氏の
お墓参りに行くようにしています。

奇しくも植芝氏のお墓がある高山寺には、
南方熊楠のお墓もあります。

『神社合祀』に反対するくらい
自然を大切に思っていた熊楠。


学生の頃、1番シンパシーを感じる
熊楠と出会えたことは、
私の人生においてとても貴重な財産です。

熊楠のお墓には、
熊楠が好きだった
あんパンとコーヒーをお供えして。

《参考資料》

古事記と植芝盛平~合気道の神道世界~
(著:清水豊/ビング・ネット・プレス) 



     


めす子

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