#61 なぜ補欠は回るのか?(小学校受験の実質倍率)
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補欠の玉突きは壮大です。一つの辞退が巡り巡ってずっと先まで繋がります。12月の筑波大附属小学校の結果によって、9月に合否の出てた埼玉校の補欠が動くことも大袈裟な話ではありません。大手企業の人事異動の光景にも似ています。
なぜ「補欠は回る」と言われるのでしょうか。
その答えは、当たり前の話ですが、その玉突きが「入学者数が全学校の定員数に達するまで続く」からです。
通えるのは一人一校です。よほどの定員割れの学校がない限り、全学校の総定員の数だけ入学者は生まれます。出願倍率の10倍や5倍の数字ばかりがクローズアップされる昨今の小学校受験ですが、「収まるところは総定員数」であり、全体の実質倍率(本noteでは志願者数÷定員数)となります。
では、その実質倍率はいかほどでしょうか?
詳しくは後述しますが、首都圏の私立小学校受験全体の実質倍率は、大きく見積もって約1.3倍(志願者数8,500人)と現段階では考察してます。メディアや受験産業の言う数万人の市場規模とは全く異なる世界線です。
また、倍率1.3倍の目線で捉えると、「全落ち」の言葉はかなり薄れます。それゆえ、出願・併願戦略が肝要ですし、「どこまで私立か?」の線引きはさらに重要となります。
「何が何でも私立」なら、全体倍率の実態は受け皿の多さを物語っていますし、「◯◯は譲れない」線引きがあるならば、全落ちのリスクも覚悟して公立進学も受け入れておく必要があります。
では、その実質倍率1.3倍について振り返ってみましょう。
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