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夜空を駆ける


調子はどうだい
夜を駆ける者
すり減らした踵
朝日はもう直ぐ登るかな

砂のついた頬
擦りむいた膝
誇っていいよ
全部きみのものだから

夢中で走ったオレンジの中
息を切らして立ち止まった
沈んでいく夕日を見て
まだまだ走れる気がしたよ

さぁ僕らの番だ 走り始めよう
欲しがるように 意地になって
伸ばした手の先にあるものは何?
くだらないガラクタも
光り輝く宝石も
どっちでもいいや 全部僕のだ

履けなくなった靴
過ぎるだけの時間
大丈夫なのかな
自分のものじゃないみたい

調子はどうだい
夜に怯える者
握りつぶした本音
朝日はまだまだ登らない

できない自分に苛立って
届かないものだと諦めた
夕日が伸ばす影法師に
置いていかれる気がしたよ

いつか僕らの番も来るのかな
悔しくって 虚しくって
たどり着く先にあるものって何?
終わらない夜も
降り止まない雨も
少しこわいよ 全部無駄になるようで

誰もがみんな同じ方を向く
どこを見ているかも知らずに
歩幅に意味を持たせたくて
流れるように進みたくなくて
せめて僕だけは
ちゃんと「前」を向いていたいのさ

さぁ僕らの番だ 最後まで走ろう
がむしゃらにつけた足跡の上
泥だらけの手で掴んだものは何?
散りばめた星も
ひかり続ける月も
輝く先の向こう どこまでも行こう

僕らは夜空を駆ける者


自作の詩です。