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受難と情熱の交響曲第49番


交響曲 第49番 ヘ短調 Hoa.I:49《ラ・パッシオーネ》(受難) 

落ち込んでいる時にこの曲の第1楽章は重いよ、重すぎる。辛くなるよ。しかし無性に聴きたくなるのはどうわけか。

暗く沈んだ重々しい雰囲気から場面は始まる。どうしようもないような罪悪感を背負っているような音が響いてくる。これから罰を受けるのだろうか。一刻も早くこの重い雰囲気から逃げ出したい。おい、なんだか泣きたくなるくらい暗いよ。「もっと光を!」と言ってもいいかな?延々とこの場を彷徨わなければならないのか。※地味に第1楽章が長い(8分程ある)。第2楽章に入った途端、怒り狂ったかのように激しくなる。なんという衝動だ!激しく炎が燃え上がる。熱い、熱い!この抑えられない感情は何処からくるのか。収まることを知らない。目まぐるしく、あたり一面にぶつかり跳ね返る。どうにでもなれというのか。そうか、ならば思う存分激しくなろう。気がすむまで、その衝動に任せよう。第3楽章で再び絶望に満ちた音が響き渡る。なんということだ。悲劇か嘆きか、迷いなのか、振り子のように行ったり来たりしている。なかなか雰囲気は変わらない。おや?なんだ少し晴れた渡ったかのような雰囲気になるぞ。ようやく受難を脱したのだろうか。…いや、そんな事はなかった。また行ったり来たり。苦悩に覆われたままだ。いつになったら陽が見えるのだろう。第4楽章はまたも激しくなる。ようやく苦悩から解き放されるような叫びが聞こえる。こちらは第2楽章よりも激しい叫びだ。気のせいか?少し明るく聴こえるような。長い道のりだったが区切りがつきそうだ。終わりに近づくにつれて段々すっきりしてくる。無事に解き放されたのだろう。受難は過ぎ去った。めでたし、めでたし。




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