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ダルトン・インベストメンツとは何者か

 2024年9月17日、ベインキャピタルはトランコムに対してMBOを仕掛けた。このトランコムに対してアクティビズム攻勢を仕掛けていたのがダルトンである。ダルトングループは18.%の株式を保有する主要株主であり、本MBO後も株主として残る(以下図)

MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ

 このダルトンとは何者なのだろうか。ロサンゼルスに本拠を置くダルトン・インベストメンツは1999年に創業された。ダルトンは2000年半ばの第一次アクティビストブームの際にスティールパートナーズなどとともにアグレッシブな株式提案をしたこともあった。その後ブルドックソース事件などで評判を落とし日本から撤退していったスティールパートナーズに対して、ダルトンはその後も日本株に積極投資をしている。
 ダルトンインベストメンツは、2004年には約5%の株式を保有した帝国臓器製薬(現あすか製薬)にMBOを提案し、2005年には秘訣されたもののグレラン製薬との合併に反対した。また2006年にはサンテレホンにMBOを仕掛け、4割弱の株式を集めて、ベイン及びJIPによるMBOに追い込むことに成功している。2007年にはフジテックの株を約15%保有し、赤字だった欧州事業の売却やMEBO(経営陣と従業員の共同買収)を提案したが、フジテックは拒否し、買収防衛策を可決して逃げ切った。その後プレステージインターナショナルやサイゼリアにも大量保有報告書を提出したり、新生銀行に取締役選任の株主提案をしている。
  
 ダルトンはサンテレホンやトランコムなど、MBO請負人として知られており、今後も動きに目が離せない。大量保有報告書を提出している主な銘柄としては以下のようなものがある。

帝国通信工業株式会社
あすか製薬ホールディングス株式会社
レック株式会社
ステラケミファ株式会社
株式会社ノーリツ
栄研化学株式会社
株式会社ホギメディカル
ヘリオス テクノ ホールディング株式会社
江崎グリコ株式会社
天馬株式会社
荏原実業株式会社
株式会社村上開明堂
文化シヤッター株式会社
三和ホールディングス株式会社
トーセイ株式会社
帝国繊維株式会社
※2024/9/18現在

次はどの銘柄がMBOとなるのだろうか。

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