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「国家はなぜ衰退するのか」第13章

こんにち国家はなぜ衰退するのか

<この章のお題>

制度、制度、制度。

<この章の副題、まとめ、気になった箇所>

ジンバブエで宝くじを当てる方法:

1980年、ジンバブエはイギリス支配から独立。その後、ムガベは国を私物化した。2000年、ムガベ大統領が宝くじに当選。自らの給与を200%引き上げた直後のひどい出来事。議員の約半数は、立候補せずに当選。収奪的制度が国家を衰退させる。コレラの流行、失業率94%、ハイパーインフレで庶民は困窮。


少年十字軍?:

シアカ・スティーブンス政権を受け継いたモモ大統領の下、シエラレオネの政治・経済は破綻していた。1991年、RUF(革命統一戦線)がAPC(全人民会議)専制政権の転覆を目指して蜂起。強制的に少年兵を徴用し、2001年まで内戦。人々を搾取し困窮させ、経済発展を阻む社会制度は、国の破綻を招く。リベリア、アンゴラ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、モザンビーク、コンゴ共和国、ソマリア、スーダン、ウガンダも同様だ。何十年にも及ぶ収奪的な政治・経済制度による支配の結果、人民の困窮は深まる。


国家とは何者か:

1980年前後、コロンビアで内戦が頻発。暴力と脅迫を用いてAUC(自警軍連合)に投票させる、という手段で議席を確保する。AUCのルーツは、FARC(コロンビア革命軍)に父を殺されたカスターニョ家の3兄弟による、いわば仇討ちの組織。民主的選挙はあったが、民意は反映されず、包括的制度もない例。投票の集票には暴力が行使された。例えば、特定候補が当選しなければ、選挙区の住民を殺害すると脅迫されることもある。一部の都市では治安や公共サービスが確保されても、法秩序が国全体で確保されない。


エル・コラリート(預金封鎖):

2001年、アルゼンチンで預金が封鎖された。90日間、預金の引き出しを止め、4ペソで1ペソに換算。国民の富の3/4を取り上げた。「世界には4種類の国がある。先進国、発展途上国、日本、アルゼンチンだ (by サイモン・グズネッツ、ノーベル経済学賞受賞者)」というくらい、アルゼンチンは理解が困難な国とされる。ペロンなど統治者は、政権継続のために憲法を書き換え、一部のエリートが富を支配し続ける。


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