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「女の子はどう生きるか」第1章 その2


Q4 理系研究者は男子が目指すもの?!

Q.進路指導の先生が、理系研究者は女子には不向きだという。ノーベル受賞者はその実例?本当なのか?

A.女の子の脳が理系向きではないということはない。女子は数学が苦手というステレオタイプ(思い込みや偏見)がその成長を抑制している。日本にノーベル受賞者の女性がいないのは事実、しかし海外を見れば女性受賞者は存在する。

日本の研究環境は圧倒的に男性に有利。特に男の脳が理系に向いていたからではない。環境だ。男性は研究者の職を得やすく、家事育児をしなくても研究に没頭できる。そんな環境を与えられ、成果を発表するチャンスに恵まれているのだ。

でも、革新的な事を進めたいのならば男性も女性も関係ないことは、今や全世界が気づいていること。男性と女性は研究対象やアプローチの仕方が異なるため、女性も含めた多様な人材によるアイデアが反映されることになるはずだ。進路指導の先生の一言で、可能性が否定されないようにすべき。

Q5 名簿の一番はなぜ男子?

Q.名簿はなぜ男子が先なのか。

A.明治時代に、男子席と女子席を分けた名残かもしれないが、合理的な根拠は全くない。「伝統(根拠のない習慣)」が表すのは「何事においても女子より男子がさき」という社会通念だ。1990年代になってから、混合名簿推進運動が起き、多くの学校で男女混合名簿が採用される結果になった。

混合名簿推進運動に対しては、説得力のない反対理由によっていろいろな抵抗があり、現在も男女別名簿が使用される場所もある。ちょっとした変化も「変えたい」と思った人から始まった。でも、うかうかすると、また後戻りすることもある。「ヘン」と思ったその違和感を大切に。

Q6 バリバリ働けない人は?

Q.子育て中の先生が担任を持つのは無責任ではないか。

A.子供の担任が男性だと「当たり」だと喜ぶ親。きっと男性の先生にも小さい子供がいる人はいるだろうに、育児休業などの休みを取らないのはなぜだろうか。それは、妻の「ワンオペ育児」によって、家での責任を逃れているからに過ぎない。

先生同士で結婚する場合は女性にのみ負担がかかっている。「育児」は男性にもできる。出産と母乳保育以外は、男女を問わず、できることなのに。そして、子育てをしている先生は担任にならないほうがいいのか?子育て中は、無責任な仕事のみを任せてあげようと考えるか?

「もし自分なら」と想像力を働かせて考えるべきだ。母親に責任のある仕事を与えない「配慮」は「差別」と何ら変わりはない。それに、子育てから逃れて残業することが「仕事熱心」とは、本当かなの。効率よく仕事をこなした方が良いはずだ。

短期的に見れば「合理的」に見える考えであっても、長期的には「非合理的」と化するのである。大きな視野でものを考えよう。

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