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第4話 出稼ぎダイアリー。〜普段の環境と違う場所で働くということ〜

干し芋について深掘りしているこの特集。

第2話では、代表佐藤の出稼ぎストーリーをお届けしました。

第3話では、同じく初めて出稼ぎに行った、新入社員水沼の出稼ぎストーリーをお届けします。

昨年3月に大学を卒業し、4月から、スノーデイズファームにやってきた水沼。新入社員としての日々も、もうすぐ1年が経ちます。

入社した春には、加工所建設や場づくりのプランに夢も膨らんでいました。

初めての仕事、農業、宿の運営、本格的な移住生活……手探りの日々のなか、事業の計画変更など、当初思い描いていたものとは変化していく現実もここにはありました。

そんな中でやってきた、冬の出稼ぎ。

悩みながら、自分の気持ちに向き合いながら、今年のさつまいも栽培・干し芋づくりで水沼や、水沼に伴走する私たち自身も大きく成長させていただきました。今年はそんな特別な思いのこもった干し芋となりました。そんな干し芋の裏舞台、まだまだ発展途上の水沼の気持ちの変化や奮闘を、読んでいただけますと幸いです。

出稼ぎが決まった日のこと

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今年中に干し芋の加工所建設ができないと決まった日、最終手段として今まで委託していた茨城の農大に自らがさつまいもを加工しに行くことになりました。

つまり、県外に出ての「出稼ぎ」。想像がつかない未知の世界です。

十日町に暮らして仕事をするために引っ越してきたのに、十日町外での仕事。

ちゃんと務められるだろうか…。

家のこと、仕事のこと、勉強のこと、あれこれ不安が湧き出てきて押しつぶされそうになりました。

不安を抱きながら向かった先は茨城。

日本一の干し芋産地です。

いざ出稼ぎ、茨城へ

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出稼ぎは早朝から晩まで仕事がみっちりあります。

芋を蒸して、皮をむいて、スライスして、並べて、干して、袋に詰めて。

以前から干し芋の加工でお世話になっている「日本農業実践学園」で一週間滞在しながらの作業です。私たちだけではなく、学園の学生さんや先生も一緒に作業をしてくださいました。

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ひたすらさつまいもに向き合う日々。

ふっと目を閉じた瞬間にも、脳裏にさつまいもが浮かんでくるようになりました。

さらに、自宅ではなく農大の寮に滞在しながらの仕事に、

慣れない土地での仕事は大変だなと実感しました。

誰のために、何のために働くか

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▲春にみんなでさつまいも植えをした時のこと

作業に行って、帰って寝る。

そんなサイクルの中で過ごす出稼ぎの日々。

ある日、作業をしていたときのこと。

「水沼さんは誰になんのためにこの干し芋を届けたい?」

と農業実践学園の籾山先生に問われました。

「えっと、その、待ってくださっているお客様に…」

はっきりと答えられない私がいました。

誰にこの干し芋を届けたいんだろう。

そう自分の心に聞きながら、今までを振り返ってみました。

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酷暑にも負けず、さつまいもをスノーデイズファームのメンバーと栽培してきたこと

同じようにさつまいもをつくってくれた生産者の皆様がいること

私たちのさつまいもを、一生懸命一緒に作業してくれている学園の人たちがいること

楽しみに待っていてくださるお客様がいること

その全てがあるからこそ、

ここまで頑張って育ててきたさつまいもを美味しく加工したい。

干し芋を待っていてくれる人に、美味しい干し芋を届けたい。

さつまいもを一緒に生産してくれる方に責任持って加工したい。

このことをいつも忘れずにいたいと強く思いました。

私は育ててきたさつまいもを、最後まで責任をもってお客様の手に届けたい。

寒い冬を彩るような干し芋を、お客様に届けたいと思うようになりました。

心を込めて美味しい干し芋を届けたい

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1週間の出稼ぎを終えて十日町へ。

いつもの風景に、ここが私の帰る場所だと心からほっとしました。

美味しい干し芋をお客様に届ける道は簡単な道ではないことを、出稼ぎで実感じました。

さつまいもを作る、加工をする、販売をするという全ての過程に心がなければ、本当に美味しいものを届けることはできない。

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(撮影:Hamaさん)

干し芋を届けるまでの全ての加工を知ってこそ、よりその美味しさを伝えたくなりました。

美味しいから食べて欲しい。

それだけではなく、お客様に届くまでのストーリーがあるから、さらに美味しい。

わたしが、心から愛せる干し芋。

だから、自信を持っておすすめできます。

ぜひ、私たちと一緒に、干し芋の旅の仲間になっていただけたら、とても嬉しいです!


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