久々に母が作った煮物は美味しかった。

私の母は、一年前くらいから、認知症の症状が出てきている。まだ医者に診断されたわけではないが、あの物忘れの症状は認知症だと思われる。
来月やっと病院の予約が取れたので行ってきます。

何がきっかけで認知症かもと気付いたかと言うと、お風呂好きだった母が1ヶ月もお風呂に入っていないことが判明したから。

私の両親は私の家から徒歩5分くらいの所で2人で住んでいる。父も高齢ではあるが、母より結構歳下でお陰様で認知症の症状は今のところはない。

お風呂に入っていないことに気付いた時、既に家事も全くやらなくなっていた。近くに住んでいるのに何故気づかなかったのか。

更に1年前くらいに遡る。
あんなに猫可愛がりしていた孫(私の娘)に、ものすごい暴言を吐き私にはもっとひどい暴言を吐き攻撃してきた時がある。今思うと、あの頃から認知症は始まっていたのかも知れない。

攻撃の原因は些細なこと。
成人式の晴れ着を買ってやると私と娘に言ってくれた。しかし既にどうにか工面して私が買った晴れ着があった。その説明はしてあったのにしつこく、買ってやる、何でこっちの厚意が受け取れないんだと段々とヒートアップ。こちらは気持ちだけ有難く受け取るよと穏やかに言っても通じない。

元々とても激しい性格で我儘な母だったので、違和感は感じなかった。今回の意地の張り方はしつこいなくらい。

しかし母に汚い言葉で攻撃された娘はショックでとうとう泣いてしまった。私にはもっとキツい言葉で罵り、慣れていたはずでも(私は小さい頃からよくあったので)さすがに傷ついた。

同時期に遠方に住む叔母(母の妹)から電話があり、あんたの母親どうしたの?ひどいこと言われたからもう話したくないわと言われ、私も叔母に愚痴を聞いてもらっていた。

そこから実家へ行くのは遠のいてしまっていた。父とはよく連絡し合っていたけど、母とは距離を置くようになった。仕事が忙しくなったのも重なった。

そして気づけば家事も全くせず家からは一歩も出ず、お風呂に1ヶ月も入らない母になっていた。
あの時感じたのは、人ってのは何も考えない(ように見える)とあんな表情になってしまうのかということ。頑固で我儘で激しい性格は残して、覇気がなくなっている。

自分の兄弟が亡くなっていることも忘れ、窓の外を見ては電線の上に人がいると言う。布団に出来た毛玉を虫がいると言って一日中潰している。

掃除は苦手な母だったけど料理は上手で、何よりお風呂は大好きだった。それなのに目の前にいる母は髪の毛もぺっとりして顔色も何となく暗い。色白でもち肌だったのに。

その日は私が無理矢理お風呂に入れた。入れば自分で洗える。髪の毛は私が洗ってやったら気持ちいいと喜んでいた。

父は何度言っても入らないので説得するのも疲れていたらしい。そうだろうな。あの母だもの。本っ当に我儘で激しいので。

この日、母が聞いていない所で父と話した。多分あれは認知症だと。まずは市役所とかで相談しよう。
しかし父の腰は重い。私は仕事でなかなか休みが取れなかったので、電話だけでもしてみてくれとお願いしたが、父は全然動かない。1ヶ月も経過してしまった。

父は外部に助けを求めるとかそういうのが本当に苦手な人。母が認知症だと認めるのも戸惑っている様子。
これは無理だ、いつまで経っても父は動かない。父自身も疲れていて、相談すれば手続きなどで動かなきゃいけないのが辛かったんだと思う。

なので父にも内緒で私が市役所に相談。
そこからはあれよあれよと話は進み、介護認定をもらいデイサービスに行けるようになった。

もちろん母がすんなりと受け入れたわけではない。父に何かあったら1人で何も出来ないでしょ?と説得しても、日によっては母は私を責めた。

「私が狂ってると思ってんでしょ!私は絶対にそんな所に行かないからね!そんな知らない人来ても私が追い出してやる!」

このやり取りもカッと来たが無視した。
母は我儘なくせに外面はいいので、話し合いの席では素直に聞いていた。

デイサービスに通い出して約10ヶ月。週3回の契約なのに行きたがらずひどい時は月に2回くらいしか行かないこともある。最近は私の休みが多いので、朝、FaceTimeで通話し顔を見て発破をかけることもある。
普段父だけだと疲れてしまって諦めることも多いが、それは仕方ない。父は本当によくやってくれている。

で、長い前置きになったけど、やっとタイトルの煮物の話です笑

料理を全然しなくなった母が、今日、本当に久しぶりにタケノコの煮物を作った。母がタケノコが大好きだから、父が買って下茹でをしておいたらしい。それを見て喜んで、自分で煮ると言って作ったと。

お裾分けをいただいて食べたら、やはり母の味だった。懐かしい母の煮物の味。
嬉しかった。父も何となく嬉しそう。
貰いに行った時に「すごいじゃん!」と褒めたら、「そんなのいつでもまた作ってあげるよ」なんて言ってたけど、いつになるやら笑

本題短っ!ですが、今日はここまで。
認知症のことは、ご家族の経験談や記事は励みになるので、これからももっと書いていきたいと思っています。

長文を読んでくださり、ありがとうございます。


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