作った曲の音量が小さい理由と上げ方【DTM超初心者向け】
マスタリングについてです。
といってもマスタリングって別に音量だけではないのですが、ワンオブってことで。
初心者のときつまづいたポイントを初心者向けにフォローするシリーズ(?)
このまえMIXについて書いたら思いのほか反応もらえたので、味をしめて続編?です!!!!!!!
方針は概ね一緒なのでハウツーなどは先人にきいてね
はじめに
タイトル回収から・・・
曲作り始めたころ意気揚々とできた曲をiTunesにいれて聴いていて、プロのアーティストの曲送った瞬間音量ちっさってなったことないですか?僕はあります。それ、マスタリングでなんとかなります!
実際にどうやったら音大きくなりますかって聞かれたこともあるので最初気が付きにくいところだなあって気がします。
この記事のコンセプト的にマスタリングって何?くらいの温度感なので音量に関してどういうことするとどうなるのか、なんでなのか実例交えて共有してみたいとおもいます。
マスタリングで何するの?
音量に関していえば、発表したい媒体に合わせてボリューム感(あくまで感)を調整します。(とにかく今回は音量にフォーカスして話します)これが上に書いたなんとかなるって意味ですね。もちろん、前回MIXについて書いたように仕上がりイメージとかも大事ですし、一曲単位ではなく、アルバムなどだったら曲同士で統一感もたせたり色々考えることがあると思いますが、ひとまずマスタリングって工程を入れることで整えるんだって考えるのがわかりやすい気がします。
実際はデジタル環境なのでステップ踏まずに平行して作業するってこともできるんだと思いますが、考え方的にわけるメリットですね。
自分は経験も知識も浅いのでそう考えています!
用途に合わせる
さて、整えるにしてもその基準はというと、これは再生環境ということになるんですが、実際のみんなの再生環境って多種多様なので限度があります。
このため昔のCDの時代はどんどん音が大きくなっていったそう。(気になる人は音圧戦争で調べてみてね)
それから配信時代になった現代はラウドネスノーマライゼーションというのがデファクトスタンダード化しています。これも詳しく知りたい方は調べてみてください。
簡単にいうと、YouTubeとかニコニコ動画とか、サブスクだったらAppleMusicやSpotify側で自動計測して音量を合わせる仕組みになっているそうです。詳細な仕様は各サービスにそれぞれ仕様がありますが、-14LUFSや-15LUFSといった数字がこれですね。
なので、一番最初にやってみることは配信したいサービスを目安に音量を合わせる、ということになります。
音量が合ってないとどうなる?
では今出てきたLUFS値があってないとどうなるでしょうか
実際のサービスにもよりますが、大体の場合音量が小さい場合はそのままで、大きい場合は自動で音量を下げられます。(本当に再生の音量がさがるだけ)
例えばiTunesにいれて音量が小さいなと思ったら、そもそも小さいパターンと、音量の自動調整などをオンにしている場合自動で下げられているパターンがあることになりますね。これは動画サイトなどでも大体一緒ですね。
どうやって音量を測る?
さっきの数字何?LUFSって何!?ってなったと思います。自分もなりました。簡単にいうとデータの計測値です。いわゆる音圧を計測したものだと思ってください。なので計測するプラグインを一番最後に刺しましょう。書き出してからマスタリング用のプロジェクトを作る手もありますが、初心者DTMer的には手間ばかり増えるかなって気がします。
自分はInsight 2というiZotope社のアナライザーをマスタートラックのポストフェーダーに刺しています。ほかにも「LUFS プラグイン」などで検索すれば出てくると思います。CUBASE付属プラグインにもあります。(見方はリンクのLoudnessのところにあります。https://steinberg.help/nuendo_plugin_reference/v11/ja/_shared/topics/plug_ref/supervision/supervision_modules_signal_category_r.html)
このメーターのLUFS値をみながら調整すると思ってください。
音量の上げ方
スピーカーのツマミを回してもデータは変わらないので(当たり前)データの音量を上げたいわけで、そうするとフェーダーを上げるっていうのが一番最初に思いつきそうですよね。フェーダーあげてLUFSあわせたらいい感じになったらMIXだけで済みますよね。。まずはそれもありだと思います。(参考例の項目参照ください)だけど実際はパートごとのダイナミクスの取り方によってはLUFSを合わせると思ったより小さくなるみたいなことも起きたりしますし、思ってる音量感までフェーダーで上げると音がクリップし(割れ)たりするのでプラグインを使うのが一般的です。
メジャーなのはマキシマイザと呼ばれるタイプのプラグインでしょうか。(後述のOzoneにも内蔵されていますね)マキシマイザは超強力コンプみたいなものです。これで割れる音を小さくして音量を稼ぐ仕組みです。
詳しい使い方は是非冒頭のSleepFreaksさんやプロの動画紹介などをみてください!
思い通りにならない時
さて、LUFSあわせて、マキシマイザで調整して、だけど思い通りにならないとき、いったんMixバランスを見直してみるといいとおもいます。MIXの時にも書きましたが、無理やりマスタリングでなんとかするより立ち戻って整理したほうが圧倒的に解決しやすいです!慣れてきたらなんとなく完成形イメージできますしね。
マスタリングチートコード
Ozoneをさす!笑
MIX編でも書きましたが、Ozoneはマスタリングツールなので色々教えてくれます。
OzoneのマキシマイザはターゲットLUFSが設定できるのでそこに配信先の数値(-14とか-15とか)まず入れるだけでも大分違います。
実例で紹介
参考例
(もしくは自分用の検証とも
いままでのが簡単な音の大きさの考え方になるんですが、気になるのは聴こえ方ですよね。マキシマイザ、いったんめいっぱいかけたりしてみてほしいんですが、コンプとおなじで音の聴こえ方は変わってきます。
今回は先日投稿した新曲の一部を使ってみようと思います。
比較
前回(コンプについて)書いたとき音源はったら別に再生できなくてダウンロードになっちゃったので動画にしてきました。
用意したのは
・オリジナル音源(マスタリング済)
・マスタリング外したもの
・音圧をめちゃくちゃ上げてみたもの
をそれぞれ-14LUFSで再生したものです。
順番に流れます。
この曲はクソデカスネアのイメージで作っていたのでスネアがわかりやすいかな。ギターの伴奏とのダイナミクスが違ってきますね。
波形でも比較してみましょう。
これがオリジナルの波形です。
マスタリング前との差を重ねてみるとこんな感じです。
マスタリング前といいつつ音量あげてしまってるので、それなりに聴こえますが実際はそのままだとかなり小さいです。簡易マスタリングといいましょうか。
そしてスネアなどが飛び出てる以外の場所が少し大きくなっていますね。強弱をすこし削ることで他パートが小さくならないようになってるわけですね。スネアを飛び出させたい反面ギターも小さくなってほしくないという。
ちなみに音量合わせる前の波形はこのくらい。かなり小さい。
さて最後が音圧あげたもの(いわゆるノリ波形に近い状態)との比較です
なんとスネアの飛び出てるところ以外もちょっと減ってしまいました。音量の計測が平均をとっているので、マキシマイザ上げすぎると逆に全体的にさがってしまったりすることもあるみたいですね。(こういう仕上げ用にMIXしてないのもあると思いますが・・)
そしてスネアのピークを思い切り叩いている分、残響感とか音作り自体が変わっているように聞こえますね。これはどちらが正解というよりも目指す完成形によりそうです。
音量感
あまり変わらなくない?
そう、これは書き出した後ボリューム調整したものになってるのでその通りです。まずは音量と言いたいのはこの部分なんですよね。
音圧をめちゃくちゃあげたものはかなりボリューム下げてますが、下げずに聴くとめちゃくちゃ大きく聞こえます。でも実際に配信したら音量がさがってしまうので比べると小さくなったように感じると思います。
調整後の計測値を見てみましょう。
(全体ではなく該当区間のみの計測です)
-14.2LUFS True Peak -1db こちらは意図した通りなのでそのままですね。ほか2つの音源は-14.2LUFSに合わせてボリューム調整しました。
次は処理してない音源のものです。MIXのバスコンプも効いているのでボリュームあげてもそこまではみ出さなかったですね。TruePeakがちょっとオーバーしちゃってます。(基準にしてるニコニコ動画が-1db)
ピークをあわせるとなると若干ですが-14LUFSまで上げられないことになりますね。
最後が音圧バリバリあげたもの
True Peakが-8.4dbですね。
基準以内だからオーケーかというとこれ単純にダイナミクス(強弱)がへっちゃってるんですよね。音源としてもちょっとのっぺりしましたよね。実際は音圧あがってるので音量下げる前のLUFS値はもっと高いわけで、音圧高めな仕上げをしたいときはその辺の差に気を付けたいところですね。。
さいごに
音量(音圧)のコントロールという面で画像含めて色々のせてみましたが、どうでしょうかね。。。
単純にボリュームフェーダーだけじゃなくて音量コントロールできるよっていうのが伝わったら嬉しいです。自分はそこで完成形の解像度めちゃくちゃ上がった気がしているので・・
それと音圧高いのが悪いのかというとそうでもない気がしますね。音圧高かろうと、ボリューム下げられるだけなのでその前提でバランスがとれていればいいのでは、ともおもいます。実際音圧が高かったといわれるCDシーンの音楽ジャンルにはその音のイメージが強いですよね。
ボリュームさがっても音質が下がるわけではない(ですよね?)・・・もし悪く聞こえるとするならなんらかバランスが悪いことになるのではと最近思っています。
音圧をあげようとしすぎてしまうとゲインかけてる分歪んできたり、つぶしてる分音が変わって聞こえてくるわけで、その辺のバランスなのかなとも。
長々とお付き合いいただきありがとうございました!
もし興味をもってもらえたらニコニコ動画やYouTubeなどでオリジナル曲投稿してます!よしなに!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?