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トランスヘイターが性分化疾患を攻撃している件

イギリスで一番のトラブルメイカーとなってしまったJKローリングがこのようなツイートをしていました。

「世界選手権で性別検査に失敗したボクサーがオリンピック出場を許可される」というタイトルの記事を載せて「この狂気を終わらせるためには何が必要でしょうか? 女性ボクサーが人生を変えるような怪我を負うのでしょうか? 女性ボクサーが殺されるのでしょうか?」などと扇動しているのがわかります。
ガーディアンの記事によると去年の世界選手権で性別適格性検査に合格しなかった選手二人のオリンピック出場が決まったという話なのですが、おそらくこれを読んだ多くのトランスヘイターは「トランス女性が女子ボクシングに出場するんだ」と思ってるでしょうし、実際そのように直接的に書いたツイートもたくさん見られます。


しかし、はっきりとは書かれていませんが当該の選手二人がトランス女性である可能性はほぼゼロです。


なぜなら、今回のパリオリンピックの規制ではトランス女性の参加は「12歳になる前に性転換を完了した選手に限る」とされてるからです。

12歳未満の子供に対して性適合手術を行うことは倫理的に問題が多いとされており、12歳未満で性転換を完了したひとなどほとんどいません。これは事実上のトランス女性の出場禁止です。

ちなみにLGBT NATIONの記事でははっきりとトランスジェンダーではないと記載されています。

では、トランス女性じゃないとしたら「性別適格性検査に合格しなかったとは一体何なのか?」と思ってる人も多いでしょう。

個人のプライバシーとしてとてもセンシティブなことなのであれこれ詮索するのは適切でないのですが、ここまでおおごとになってるのであえて書く必要があると思います。

可能性として一番高いのは性分化疾患でしょう。

詳しいことはぜひこの機会に調べてほしいのですが、ざっくりいうとXY染色体を持っているのにもかかわらず、何らかの理由で男性ホルモンに反応しない体となっているせいで生まれたときに男性器が形成されず、生まれたときから女性だとして育てられてきた人が存在するわけです。性分化疾患はホルモン検査や染色体検査をしないとわからないので、多くの人は自分の性別は女性だと思ってますし、また周囲にもそう認識されています。オリンピックでは特に女子スポーツの規制が厳しいためしばしばホルモン量の検査を行うことがあり、検査により人生で初めて自分がXY染色体を持っていることを知るスポーツ選手もいます。

トランスヘイターたちは「心が女だ」とか「私はトランスだ」とかいえば女子だと認められるのかと言うように煽るわけですが、性分化疾患の人についてはただXY染色体を持っているというそれだけであり戸籍上も性自認も多くは女性です。多くは自分のことをLGBTだとも思ってませんし、LGBT運動と関わりが深いひとも少ないでしょう。法的にも文化的にも女性である人のことをそのような言葉で攻撃するのはとても残酷な行為ではないでしょうか。

これをいじめといわずしてなんと表現すればよいのか。


性分化疾患のレベルは個人によるものであり、男性ホルモン量もまちまちなので一概にどうとかいうのは難しく、男性ホルモンに反応しない特異体質だというのもあって、誰もが納得行くような規制を考えるのはとても難しいというのはよくわかります。

わかりますが、性分化疾患を「女性を殺す男」のように扱うのは流石に行き過ぎていて誹謗中傷レベルまでいってると、私は感じました。

そのように性分化疾患の人を攻撃している人たちでも自分のホルモン量や染色体をきっちり調べたことがない人は結構多いのではないでしょうか。


追記(2024/08/02)

IOCの広報が正式にトランスジェンダーであることを否定したようです。


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