武器兵器調達課#92:  「英国空母 クイーンエリザベス」

今回は「英国空母 クイーンエリザベス」についてみていきましょう。

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「英国空母 クイーンエリザベス」: イギリス海軍史上で最大の軍艦です。
この艦級は、短距離離陸・垂直着陸が可能なF-35Bステルス戦闘機を35機近く搭載でき、哨戒ヘリや早期警戒ヘリなどを含めた40機前後の航空団を運用しています。

クイーンエリザベス級空母は、英国海軍が2010年代から建造を進めてきた新しい空母艦級です。2隻の空母が建造されており、2017年に就役した1番艦「クイーンエリザベス」、2019年に就役した2番艦「プリンスオブウェールズ」があります。

艦級の背景

2000年代後半、英国海軍は従来のインヴィンシブル級軽空母が老朽化し、新しい空母が必要であると判断しました。そこで、新型空母計画が立ち上げられ、クイーンエリザベス級空母が建造されました。

クイーンエリザベス級空母の主な特徴

  • STOVL空母:クイーンエリザベス級空母は、垂直離陸・垂直着陸機 (STOVL) を運用することを想定した空母です。STOVL空母は、滑走路が短くて済むため、従来の空母よりも運用場所の選択肢が広くなります。

  • 大型艦体:クイーンエリザベス級空母は、全長284メートル、排水量65,000トンと、英国史上最大かつ最も強力な艦船です。この大型艦体により、航空機や兵装、人員などを余裕を持って搭載することができます。

  • 汎用性:クイーンエリザベス級空母は、航空機だけでなく、陸上自衛隊や海兵隊を揚陸するヘリコプターなども運用することができます。また、災害派遣などにも利用できるよう、医療設備や救難設備なども充実しています。

艦載機

クイーンエリザベス級空母は、最大40機の航空機を搭載することができます。現在、主に以下の機種が搭載されています。

  • F-35B戦闘機:米国のステルス戦闘機です。

  • ワイルドキャットヘリコプター:英国製の艦載ヘリコプターです。

  • マーリンヘリコプター:英国製の汎用ヘリコプターです。

将来的には、無人航空機 (UAV) や垂直離陸・垂直着陸機 (VTOL) 機なども搭載される予定です。

兵装

クイーンエリザベス級空母は、自己防衛のために様々な兵装を装備しています。

  • 近距離防空システム (CIWS):敵のミサイルや航空機を撃墜するための砲システムです。

  • シービーム対艦ミサイル:敵の艦船を攻撃するためのミサイルシステムです。

  • ファランクス対空砲:敵の航空機を攻撃するための砲システムです。

乗組員

クイーンエリザベス級空母は、約1,000人の乗組員によって運航されています。乗組員には、操艦、航空管制、武器運用、整備など様々な職種の隊員が含まれています。

活動

クイーンエリザベス級空母は、世界中の海域で活動しています。2021年には、インド太平洋地域に展開し、中国の海洋進出を牽制する活動を行いました。また、2022年には、ウクライナ侵攻に伴うNATOの東欧における活動にも参加しました。

評価

クイーンエリザベス級空母は、その強力な戦闘力と汎用性から、世界で最も先進的な空母の1つと評価されています。英国海軍にとって、重要な戦力資産となっています。

その他の詳細

  • 艦体構造:クイーンエリザベス級空母は、2つの島上構造物と広い飛行甲板を備えています。飛行甲板は、F-35B戦闘機やヘリコプターなど最大40機を発着させることができます。

  • 動力:クイーンエリザベス級空母は、2基のガスタービンエンジンと4基のプロペラで推進されます。最大速力は29ノットです。

  • センサー:クイーンエリザベス級空母は、レーダー、ソナー、電子戦システムなど様々なセンサーを装備しています。これらのセンサーにより、敵の脅威を早期に発見し、適切に対応することができます。

  • 整備・補給:クイーンエリザベス級空母は、大型艦であるため、整備や補給に多くの時間と労力が必要です。そのため、通常は複数隻の空母で活動し、互いに支援し合っています。

お値段は?

建造単価は約31億ポンドぐらい?

2024年5月25日現在、約31億ポンドは、約520億円相当となります。

安すぎ?

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