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野良猫の幸せってなんだろう
最近、近所で猫とよく会う。その猫のことを、私はこっそり「ニャーちゃん」と呼んでいる。
ニャーちゃんを初めて見かけたのは今年の9月のことだった。夜のお散歩をしていたときに、ニャーちゃんは駐車場で寝転がっていた。
にゃ~、とこちらが声をかけると
にゃ~と返してくれるので、ニャーちゃん。(安易なのはご愛嬌。)
野良猫にしては毛並みがよく、白い毛が発光するほど綺麗で、身体もふっくらしているため、はじめは家猫なのだろうと思っていた。
しかし、情報化社会とはすごいもので、「住んでいる地域名、野良猫」で検索すると、なんとニャーちゃんの情報が出てきたのである。
なにやら、ニャーちゃんは2016年ごろにはすでに確認されていて、一度里親に出た経験もあるようだった。
野良猫の寿命は短いというから、ニャーちゃんは相当長生きだと思う。
つい先日もニャーちゃんをなでなでしていると、ニャーちゃんが遠くから歩いてきたおばさんの元へ、トトトッと走り寄っていった。きっといつも餌をくれる人なのだろう。
また違う日も、ニャーちゃんを見かけると、足元にはカリカリが置いてあって、美味しそうに頬張っていた。
ニャーちゃんはとっても愛想がいいので、きっと地域の人に愛されている猫なのだろう。
10月も下旬になってきて、東京もかなり冷え込んできた。特に夜はよく冷える。
いつもの夜散歩に出かけると、遠くにニャーちゃんの影を見つけた。尻尾をぴんと立てて、トトトッと寄ってきてにゃ~と鳴く。
最近夜は冷えるね。寒くないかな。今日も可愛いね。と声をかけながら撫でると気持ちよさそうにしてくれる。
甘えたい気分なのか、ひたすらスリスリしてきたあと、ゴロンと転がって撫でろアピール。猫も冬は寂しくなるのか?
しかしニャーちゃんはいくらゴロゴロしていても、通行人が通るたびに警戒モードに入ってしまう。野良で生きていくためには必要なことなのだろうけど、いつもビクビク警戒してたら心休まらないだろうなぁ。
そんなことを考えていたら、ニャーちゃんが私の膝に乗って、うつらうつらとくつろぎ始めた。
『温かい・・・』
ニャーちゃんにとっては、ちょうど温かい寝床があるぜ、という程度のことだったのかもしれないが、
私はそのとき、はっきりと、ニャーちゃんの命を感じた。
この命はいつまで温かくいられるだろうか。この温かさを守るために、何かできることがあるんじゃないか。しかしそれはニャーちゃんにとって幸せなのだろうか。そもそも幸せとは何だろうか。
どうか明日ものびのびと日向ぼっこをしていますように。
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