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[行動ファイナンス的なメモ]損失がコワいのは最初だけかもよ。

伝統的な経済学は、人は利益の最大化のために常に合理的に行動する、という前提にたっている。
いや、そうとも言えないんじゃないの?と提唱されたのが、行動ファイナンス理論。


行動ファイナンスとは、
「人は利益を得るために合理的に判断するとは限らない」という理論。

代表的な考え方としてプロスペクト理論と名付けられた価値関数というものがありましてね。

損失は利得よりも過大評価されやすい ってヤツです。

人は損失が発生した時点、その瞬間の不快度・ショックが、同じだけの利益を得たときよりも格段に大きい。


平たく言うと、1万円もらって嬉しい! よりも
1万円損した、悔しい! のほうが激しくショックを受けるという説です。

だから人は損失を避けたい。
だって、イタイから。精神的にしんどいから。
これを「損失の嫌悪」といいます。

このイタさは想像だけでも容易に仮想体験できてしまうようで、
運用に二の足を踏むという方の中に、まるで事前にこの理論を学習したかのようにそうおっしゃる方がいらっしゃる。

で、そういう方は、利益を過大に望まれる傾向が強い。

「日々節約にいそしみ、真面目に暮らしているこの私が」
「苦しい家計の中から10万円も出したのだから」
「1万円程度の利益じゃ、運用している意味ないじゃない!」

そうなの、プロスペクト理論では
利得は得た瞬間の満足度がさして高くないんですね。
儲かったっていってもこの程度か〜 と思ってしまう。

損した1万円を過大評価せず、
得した1万円を過小評価しない、ただどちらも1万円と見ること。

まずはこのセルフコントロールが大事。

損失も利得も大きくなればなるほど
感情的なブレが少なくなるようですね。
最初だけってことかな。
うん、私もそうだったような気がする。

なお、企業型の確定拠出年金で言うなら、
会社が出してくれた掛金は、実は大きな利得なんだけど、
利得は過小評価されやすくそんなに嬉しくはない。

ところが、これを株や為替でリスクをとって運用することを考えると
マイナスになんかなったらショックすぎる!
て、元本確保型で運用している人、結構多いね。

抜け出しやすい、シンプルなバイアスだと思いますけどね。


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