見出し画像

【ロータスコンボ】デッキリストで振り返る2023年上半期


■はじめに

初見の方は初めまして、お馴染みの方はお久しぶりです。
若みどりと申します。

ぜんっぜん記事が書けなくて久しぶりすぎました。なんと半年以上ぶり。
そこで開き直って、今年の振り返りがてら【ロータスコンボ】のデッキリスト変遷を解説します。

あんまりにも久しぶり過ぎて何が何やらですが、今年も色々ありましたので是非お読みください。

■2月:PTファイレクシア

初めてのプロツアー。初めてのアメリカ本土。
色々ありましたが、最高に楽しかったです。

渡航・ホテルまでの道のり・滞在時の諸々について、「TeamUNITE」の森山さんに大変お世話になりました。この場で改めて御礼を申し上げます。

フィラデルフィア庁舎・時計塔。左手がホテル

ホテルは綺麗かつ快適で素泊まりだったものの、スターバックスとセブンイレブンが近所にあり、過ごすのに困ることはありませんでした。
極度の乾燥のせいか空調が肌に合わず、夜あまり良く眠れなかったのが大失敗。加湿器を持っていくべきでした。

プロツアー前日には参加者の皆さんとのドラフト練習に参加させていただきましたが、1-2と0-3を連発し、実力不足を痛感しました。

PTホールのフィーチャーテーブル、感動!

・いざプロツアーへ!

ドラフトデッキ:赤白 → 0-3
R1 青緑××
R2 赤単××
R3 赤緑青×○×

見事なまでの失敗ドラフト!
白ベースのドラフトをしていたところ、1-6で【ファイレクシアの闘技場】を取ったのが間違いでした。
その後に黒いカードが流れてこず、赤白マルチから第二色を赤に切り替えるもののなんと卓5人が赤という地獄。
結局カードが足りなくなってしまいました。

1戦目:青緑
《青の太陽の黄昏/Blue Sun's Twilight》2枚かつ、その他優良カードてんこ盛りの最強デッキでした。
2ゲームで3回レベルトークンを奪われ、何も出来ず敗北。

2戦目:赤単
お相手もこちらと同様、微妙なカードの詰め合わせでしたが、中盤コンバットにおけるライフ1点の損が響き、最終ターンに押し込まれて敗北。

3戦目:赤青緑
神話レアてんこ盛りで、何故ここに居る!?となりました。これがPTか……。
《レジスタンスの火、コス/Koth, Fire of Resistance》→《完全なる統一/All Will Be One》→《気まぐれな厄介者/Capricious Hellraiser》で《コス》が戻ってきて、エンチャントから火力がばら撒かれて瞬殺。

0-2卓でこんなことある?

ドラフト0-3で、見事にプロツアーの洗練を受けました。パイオニアラウンドに入る前から半死半生。

パイオニアラウンド:
R4 バント人間○××
R5 イゼット独創力○○
R6 イゼットフェニックス××

1-5にて初日落ちが確定し、ドロップ。
【バント人間】にはサイド後マナフラで負け。
【イゼットフェニックス】には、メイン戦5ターン目に《感電の反復/Galvanic Iteration》+《時間への侵入/Temporal Trespass》で追加ターンに入られ、完敗でした。

・サイドイベント

翌日、シークレットレイアー・ショーダウンというMAGIC CONのイベントに参加しました。
二日制の大会で、4つの予選でTOP8になると最終日の本戦に出場可能。
優勝者には世界に1枚の《渦まく知識/Brainstorm》が贈られるという、夢のあるイベントです。

同日のサイドイベントにはリミテッドPTQがあったのですが、単純にパイオニアをやり足りなかったのでこちらへ。
BIG MAGICのりゅうじさんに同道していただき、大変心強かく、楽しかったです。ありがとうございました。

予選突破! ラガバンGET

結果は、惜しくも2位!
本戦では完全に体力が尽きており、毎試合プレイミスをしていたような有様でした。
目の前でブレストを逃してとても悔しかったですが、今振り返るとあまりにもミスりすぎていたため、納得の負け。最大値を出し切れませんでした。

印象深かったのは、ヘッドジャッジからの「TOP32名によるシングルエリミネーション五回戦! SEなので、もちろん時間無制限です!」という本戦アナウンス。
そんなの聞いたこと無かったので思わず笑ってしまいました。

ミスりまくりのSEを振り返り。

①【グルール機体】のサイド後
《出現の根本原理/Emergent Ultimatum》を一枚残していることを失念し、黒マナを浮かせずに《熟読/Pore Over the Pages》を唱え、当然トップ《根本原理》。唱えられずに負け。

②【エニグマファイアーズ】のサイド後
《原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamity》と睨み合う《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》。何も考えず攻撃したところ、接死で相討ち。は?

③【青白コントロール】のサイド後
《終止符のスフィンクス/Sphinx of the Final Word》と《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》が対峙する展開。
《見えざる糸/Hidden Strings》でマナを寝かし、《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》+「暗号」で勝ちや!
と思いきや、ダメージ前に《アルコン》をバウンスするのを忘れ、《アルコン》の回数制限によって「暗号」が消えました。なんで???

④【ラクドスミッドレンジ】のメイン戦
墓地の《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hunger》に睨まれつつ、《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester》に殴られる展開。
《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》から《熟読/Pore Over the Pages》に繋げようとしたところ、当然《致命的な一押し/Fatal Push》。
《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester》を生贄に墓地が6枚、《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hunger》が蘇って負け。
まさか《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester》の能力が、場に他のクリーチャーがいなくても使えるとは。。。

2位の賞品(ブレストのパネル)。1位にはこのプロモカードです。

最後は、3ターン目に《屍呆症/Necromentia》で《睡蓮の原野/Lotus Field》抜かれて負け。
切ない一撃でした。

・デッキリスト

2023/2/20 Secret Lair Showdown 2nd place

コンセプトは『【ラクドスミッドレンジ】に勝つ』こと。
当時は【ラクドスミッドレンジ】をメタゲームの中心にしつつも、《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》を繰り出すタイプデッキが隆盛しており、【イゼット独創力】や【エニグマファイアーズ】の勢いが強かったです。

メインボードについては2022年のチャンピオンズカップファイナル常滑から殆ど変わらずですが、《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse》を増量して更に【ラクドス】意識を強めました。
サイドボードでは2枚目の《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》に3枚目の《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse》で、対策完備。

《終止符のスフィンクス/Sphinx of the Final Word》の枠については、プロツアーTOP8に残った【ロータスコンボ】に《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》が入っていて、「何故気付かなかったんだろう……」と己の不明を恥じた覚えがあります。それほどに強烈な発見でした。

《羅利骨灰/Tear Asunder》は【イゼット独創力】や【エニグマファイアーズ】を見据えた一枚。
《エメリアのアルコン》などを除去する想定なので、《一瞬/Blink of an Eye》などのバウンスに近い用途ですね。
対《減衰球/Damping Sphere》などのケースがあるため、こちらの方が優れていると思います。

この頃は《至高の評決/Supreme Verdict》が4枚も入っていますが、裏目が無かったんですよ……!
《ゴバカーンへの侵攻/Invasion of Gobakhan》さえなければ……!

この後登場

■3月:チャンピオンズカップファイナル(横浜・スタンダード)

早速【ロータスコンボ】とは関係なくなっていますが、この項目だけですので、興味がない方は飛ばしてください。

使用デッキは【ジャンドミッドレンジ】。
元々【グリクシスミッドレンジ】を使用していたのですが、自分は《かき消し/Make Disappear》をまっとうに構えられないことが判明し断念。
だって《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》や《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》が手札にあったら、出したくなりません!?

そこで、毎ターンタップアウトする重ミッドレンジを組んだ結果がこちら。

・デッキリスト

2023/3/5 Champions Cup Final Cycle2 21st place

《気まぐれな厄介者/Capricious Hellraiser》で《ギックスの残虐/The Cruelty of Gix》と《絶望招来/Invoke Despair》を使いまわす、サイコーにゴキゲンなデッキです。

当時は《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》をリアニメイトするデッキも多く、相手の《アトラクサ》を一本釣りするシーンも。
《沈黙を破る者、スラーン/Thrun, Breaker of Silence》が非常に強く、毎ゲームサイドインしていたような気がします。
エンチャント・PWが非常に多い環境で、《豪火を放て/Unleash the Inferno》をブチかまして盤面を破壊するのが得意技でした。

《かき消し/Make Disappear》に弱そうな見た目をしていますが、【グリクシスミッドレンジ】にはサイド後から《剃刀鞭の人体改造機/Razorlash Transmogrant》が大暴れ。
ところが自らも《剃刀鞭の人体改造機/Razorlash Transmogrant》に弱く、《切り崩し/Cut Down》とか取ってる枠があるなら《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》くらい入れろという話でした。大反省。

結果は8-4。プレイミスで落とした試合が何本もありました。
結果としては特に何も無かったものの、大会としては、自分で回して楽しいデッキを作れたので嬉しかったです。

■4月:チャンピオンズカッププレミアム予選

さて、次なる大会の権利が無くなったので、予選へ出ることに。
店舗予選を早めに抜けられたので、プレミアム予選を連打したところ、最後に大花火を打ち上げられました。

【ジェスカイハサミ】には、最初の《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》を《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》したところ、返しに《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》×2に突っ込まれたことを覚えています。

最終戦の【アタルカレッド】は激戦でしたが、最後に相手の方がリーサルを見逃してしまい、ターンが帰って来ての勝利でした。
長丁場の大会では、このようなミスが最も恐ろしいです。

・デッキリスト

2023/4/9 Champions Cup Cycle3 Premium Qualify 権利獲得

紙のメタゲームは読みにくいところがあり、この頃は広く浅く色々なアーキタイプを警戒していました。
実際には、【ラクドスミッドレンジ】を除いて、徐々に速いデッキと遅いデッキが両極端になっていったようにも思います。

サイドボードについて。
プロツアーを経て新たに発見されたのが《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》と《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》。
これらのカードによって強化された結果、対【青白コントロール】と対【緑信心】の勝率を大きく引き上げることになりました。

《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》については、《ナーセットの逆転/Narset's Reversal》されない《思考のひずみ/Thought Distortion》という感じで、代用品のような役割です。
《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》はデッキの動きを一段階引き上げていると言ってもよく、手札6枚からの3キルを実現します。

土地→土地+《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》からの3ターン目。
①《睡蓮の原野/Lotus Field》をセット:5マナ
②《見えざる糸/Hidden Strings》:3マナ→9マナ
③《出現の根本原理/Emergent Ultimatum》:残り2マナ
④「《全知/Omniscience》、《来世の警告/Behold the Beyond》、《首謀者の収得/Mastermind's Acquisition》」をピック→《全知/Omniscience》戻し
⑤《来世》+《首謀者》→《見えざる糸》×2、《全知》、《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》を手札に加える
⑥《見えざる糸》×2→《全知》:2マナ→6マナ→10マナ→0マナ
⑦《バーラ・ゲドの復活》で《来世》を回収。
⑧《来世》で追加の《復活》・《リーア》を回収して勝利。

これは《希望守り/Hope Tender》には不可能な動きですので、絶対に《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》を使ってください。

■6月:プレイヤーズコンベンション千葉

5月には店舗予選(シーズン2ラウンド1)を抜けたりしていましたが、いよいよ再びのファイナルです。気合い入りまくり。

・チャンピオンズカップファイナル(シーズン1ラウンド3)

音速のフラグ回収。即死。
この日もめちゃくちゃミスっていて、負けた試合はそれが無ければゲームが大きく変わっていました。

①【ラクドスミッドレンジ】のメイン戦
これは対戦相手のミスです。
手札に《首謀者の収得/Mastermind's Acquisition》があったものの、《思考囲い/Thoughtseize》から《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》。
デッキ公開性なので勝ち手段が一枚なのはバレており、「負けたか」と思いきや《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned》を警戒してか、墓地から《熟読/Pore Over the Pages》を追放されました。

【ロータスコンボ】の構造は分かりにくいかもしれませんが、勝ち手段となるキーカードは5種類くらいなので、覚えてみてもいいかもしれません。
・《首謀者の収得/Mastermind's Acquisition》
・《副陽の接近/Approach of the Second Sun》
・《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss》
・《希望の標、チャンドラ/Chandra, Hope's Beacon》
・《ハイドラの巣/Lair of the Hydra》

②【アブザンパルヘリオン】のサイド後
《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》と《砂時計の侍臣/Vizier of Tumbling Sands》が場に居る状況で、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》にプラスされ、手札が《睡蓮の原野/Lotus Field》だけに。
相手の墓地には《パルヘリオンⅡ/Parhelion II》があったのですが、《大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Boss》まで持たれていてはどうしようもありません。
開き直って《リリアナ》を殴れば良いのに、何故か《砂時計の侍臣/Vizier of Tumbling Sands》を構えてしまいました。
返しのターン、《リリアナ》のマイナスと《致命的な一押し/Fatal Push》によって盤面が更地になり、《リリアナ》のプラス連打で負け。
忠誠値1の差が大きすぎました。

③【白単人間】のサイド後
後手番ワンマリ、土地1+《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》+《睡蓮の原野/Lotus Field》でキープしました。ごめんなさい。

・パイオニアオープン

翌日、折角なのでパイオニアオープンへ。
よく眠れず地獄のような体調、参加費と参加賞を両方とも失念する、大会アナウンスを聞き逃してマッチロスどころかドロップ処理される、恒例の松屋売切れなど、本当に大変でしたが何故かTOP8に。
ゲーム外トラブルに反比例するかのようにデッキがブン回りました。

SEの対ラクドスミッドレンジは本当に酷く、完全に死体となっていました。
スイスラウンド最終戦の終了後、飲料補充のためにコンビニへ向かったところ、なんと会場のコンビニは17時で閉店。そんな。。。
結局、炎天下を歩いて駅まで向かうことに。試合会場の空調との寒暖差で破壊された気がします。言い訳。

①【白単人間】のメイン戦
《有望な信徒/Hopeful Initiate》にカウンター2個が載っているところに《全知/Omniscience》で突っ込んでしまい、当然負け。
サイド後は世界一ブン回りました(4ターン目《至高の評決/Supreme Verdict》から、5ターン目《原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamity》)。

②SEの【ラクドスミッドレンジ】のメイン戦
《苦難の影/Misery's Shadow》から《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》、《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》と景気よく展開されたものの、《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City》が2枚あったので、冷静になってアップキープに《シェオルドレッド》をバウンスしてからドローを進めれば良かった~~!
実際には何故か通常ドローどころか《砂時計の侍臣/Vizier of Tumbling Sands》サイクリングで4点も食らってしまい、マナを注ぎ込んだ《苦難の影》に殴られて当然負け。
盤面の打点も数えられないのか。

③SEの【ラクドスミッドレンジ】のサイド後
2ゲーム目はちょっと難しいパイルをミス無く乗り越え、やり切った感を出した直後、事件が起きました。
ノーマリガンで1ランド+《睡蓮の原野/Lotus Field》をキープしました。破門。
キープ宣言した一秒後に視界が歪んだので、本当に反省しきりです。

ティルトの越え方は未だによく分かりません。
取り敢えず、可能な範囲で体調管理に気を付けていますが、この日は色々と限界だったようにも思いました。

・デッキリスト

2023/6/25 Players Convention '23 Pioneer Open TOP8

ちょうど地域チャンピオンシップでは【ラクドスサクリファイス】が流行り始めた頃合いだったかと思います。
日本では【ラクドスミッドレンジ】の人気が根強いものの、サクリファイス使用者もそれなりに増えていました。
私としては【アブザンパルヘリオン】の勢力が依然として強いことが向かい風だったように思います。(実際、オープンでは運良く当たりませんでした。)

【ボロス招集】というデッキが新登場しましたが、意外にも《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》と《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》が強烈なアンチの役割を果しています。
相手のクロックは1/3もしくは1/2でガッチリガードしつつ、【ボロス招集】側には除去が無いので4キルを仕掛けることが出来るのです。

メインボードは特に変わらず。
サイドに、《ゴバカーンへの侵攻/Invasion of Gobakhan》を意識して《太陽降下/Sunfall》を採用。
「培養」能力が非常に強力で、オススメの一枚です。
【ロータスコンボ】あるあるの「全体除去を撃ったものの、その後マナフラッドして負け」を防いでくれます。

《真髄の針/Pithing Needle》は【緑信心】と【アブザンパルヘリオン】の専用サイドとして増量。
一方で、【スピリット】などのクロックパーミッションが衰退していたので、《神秘の論争/Mystical Dispute》を解雇しました。

■7月:パイオニアチャレンジ

プレイヤーズコンベンションを終え、燃え尽きてMOで遊んでいたところ、MOチャレンジで久々の優勝。
何回優勝しても嬉しいです。もっと優勝したい。

【緑信心】を4回倒したところが本当に意味不明なんですが、勢いとしか言いようがありません。
今シーズンの対【緑信心】戦績は71%です(MOのみ、15-6)。

この大会は特に目立ったミスも無かったので、『ここから入れる保険があるんですか!?』シリーズを掲載してみます。

《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》で
《減衰球/Damping Sphere》を加えられた返し。
《熟読/Pore Over the Pages》のドローが全て土地で、絶望してます。
この後勝ちます。
《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》で
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を落としたのは良いものの、
聳え立つ《減衰球/Damping Sphere》。
この後勝ちます。

・デッキリスト

2023/7/2 Pioneer Challenge 1st

ついにメインボードに変化が。
マナ加速6枚目として《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》をメイン昇格しました。

だってMOだと《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》全然居なくて、ミラーも多くって……。
サイドボードも代わり映えしないんですが、さすがに環境に合致しない雰囲気。この後のタイミングでガラっと変えます。

メタゲーム的には、直近のイベントで【ボロス・ナラー】が優勝し、爆発的に広まりを見せる頃。
【ラクドスサクリファイス】や【青白ロータス】なんかも急増しており、よく分からない時期にも関わらず、環境が全く様変わりしてしまったように感じました。

■8月:エリア予選

そんなわけでダラダラとパイオニアをしていたところ、目新しいリストが飛び込んで来ました。
《掘り起こし/Dig Up》入り【ロータスコンボ】です!

2023/7/16 Pioneer Challenge 1st "canepis16"
天才か……
まだ未開拓の領域があるのか。

土地兼スペルとして、《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》と似た役割のカードです。
キープ基準の補助になりつつ、ひとたび土地が足りれば《出現の根本原理/Emergent Ultimatum》》や《見えざる糸/Hidden Strings》、《演劇の舞台/Thespian's Stage》に化けます。
《全知/Omniscience》設置後のゴールにもなるため、非常に強力です。

【ロータスコンボ】では3枚目以降の土地がすべて無駄牌となりマナフラッド扱いになってしまう構造上、本来はデッキの土地の枠を切り詰めたいという事情があります。
一方、《睡蓮の原野/Lotus Field》に捧げる2枚の生贄土地が無ければそもそもキープ出来ないため、土地を切り詰めることはマリガン率を跳ね上げてしまい、ジレンマに陥っていました。
その点《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery》は頼れますが、「初動になりえない」というマナフラ受けとしては大きな弱点があり、《掘り起こし/Dig Up》の「切除」能力には及びません。

ただしライブラリーの基本土地を枯らしてしまうことや、土地と入れ替えた場合に決してこれ自身が土地ではないことなど、《掘り起こし/Dig Up》も諸手を挙げて大量投入できるカードではありませんでしたので、最終的には1~2枚で落ち着くのではないかと。

というわけでデッキ調整を進め、様々な構築を試してみました。
土地を切り詰めて《掘り起こし/Dig Up》3枚や、逆に土地枠を増やしたりなど、様々試してみましたが、結局は安定性の問題で元々のリストに近い形に戻って来てしまいます。
最終的に、晴れる屋TC東京のエリア予選で使用したのがこちら。

この日はとんでもない回数マリガンしたような気がしますが、勝てばよかろうなのだ。
最後は当然IDをお願いされましたが、2敗の友人を援護するためにガチりました。申し訳ない。

目立ったミスは【ジャンド異形化】戦、2ターン目に《急使の手提げ鞄/Courier's Briefcase》から入られたため、《森の占術/Sylvan Scrying》を後回しにして《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》から入ったところ、返しのターンが《思考囲い/Thoughtseize》+《致命的な一押し/Fatal Push》で爆発。
《異形化/Transmogrify》を撃たれてもゲームは続くので、冷静に《睡蓮の原野/Lotus Field》を手札に加えておくべきでした。
サイド後は《狂気の種父/Sire of Insanity》に激突して死亡。無念。

「即死」の具現化?

・デッキリスト

2023/8/5 Champions Cup Cycle3 Area Qualify 7-1

《掘り起こし/Dig Up》は現在1枚。
これは一時期土地を切り詰めすぎた結果、初手のキープ基準だけでなく、《睡蓮の原野/Lotus Field》の次に置く土地すら足りなくなる事象が多発したためです。
もし2枚目を採用するのであれば、26枚目の土地枠になると思います。
その上で基本土地がもう1枚欲しいので、マナベースも考え直しですね。

その他に意識したのは【青白ロータス】と【ボロス・ナラー】です。
特に【青白ロータス】は大変苦手な相手。
当然《不連続性/Discontinuity》は致命傷ですが、《思考のひずみ/Thought Distortion》早撃ちが本当に耐えられないので、こちらも打ち返すしか無いという認識です。
《感電の反復/Galvanic Iteration》も効果が無いため、泣く泣く《ナーセットの逆転/Narset's Reversal》に変更しました。本当は好きじゃないんですが。

【ボロス・ナラー】は《ゴバカーンへの侵攻/Invasion of Gobakhan》と《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy》の二択が厳しく、《太陽降下/Sunfall》のサイドインを強いられています。
しかし+4マナ課税によって打てなくなることもしばしば。
相手のサイドでは《高山の月/Alpine Moon》が一番マシな可能性まであります、《一時的封鎖/Temporary Lockdown》でまとめて吹き飛ばせるので。。。

そろそろ特定のデッキばかり意識しすぎて、色んなデッキへのサイドが足りなくなっているような気もしてます。
クリーチャー抜ききれないんですよね、今の形。

■おわりに

そんなこんなで、なんとか現在に追いつきました。
禁止改定もノーチェンジで終わり、エリア予選シーズンも続いておりますので、パイオニア現環境にも触れておきます。

大前提として、ラクドス系デッキ(ミッドレンジ・サクリファイス)は依然として一大勢力です。
先週のエリア予選でも、権利獲得デッキに赤黒の姿が無いということはありませんでした。

続いて存在感を示すのは【イゼット独創力】。
【アブザンパルヘリオン】や【緑信心】のクリーチャーを除去し易く、【青白ロータス】のマナ加速をカウンター可能と、現在の環境に合致しているように思います。
同じく1マナ火力や軽量カウンターを擁する【イゼットフェニックス】も複数名が権利獲得しています。

【緑信心】・【青白コントロール】・【青白ロータス】・【エニグマファイアーズ】にも権利獲得者が複数名おり、アーキタイプとしての勢いは落ちていません。
一方で、アグロデッキの気配が無いように感じています。
これには【イゼット独創力】や【ラクドスサクリファイス】の躍進が無関係とは思えません。
【アゾリウススピリット】は複数名の権利獲得を達成しておりますので、攪乱的アグロであることが求められているのかもしれません。

今週の注目デッキは【ローナ&アトラクサ】
新進気鋭のコンボデッキで、ブン回りの力強さと多彩な勝ち筋を兼ね備えており、非常に魅力的です。

スーパーフレンズ

①いつもの《トレイリアの抹消者、ローナ/Rona, Tolarian Obliterator》+《撤回のらせん/Retraction Helix》+《モックス・アンバー/Mox Amber》コンボ。
勝ち筋は《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》からの《石の脳/The Stone Brain》。
②《銅纏いののけ者、ルーカ/Lukka, Coppercoat Outcast》や《死の権威、リリアナ/Liliana, Death's Majesty》から《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》を繰り出します。
《森の女人像/Sylvan Caryatid》を対象に取れるのがクール。
③マナクリーチャーから《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を出すだけ。
一部のデッキに非常に良く刺さります。

各カードが密接に絡み合っているだけではなく、ウィッシュボードと通常のサイドがせめぎ合っており、構築難易度が天元突破しているように見受けられます。
しかし結果として生み出される圧倒的コンボ空間は、まさに歯車的砂嵐の小宇宙!
台風の目になってもおかしくないデッキなので、要チェックです。

そして今季のパイオニアシーズンは、次回のプレイヤーズコンベンション常滑へ続きます。
並行してモダンが始まったりラストサン予選が始まったりしていますが、次回の記事はもう少しこまめにお届け出来るといいなあ。

それなりに長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
次回もお読みいただけますと幸いです。

内容を評価していただけた方・次回投稿を期待してくださる方からご支援をいただけると大変嬉しいです。
記事の購入者様には御礼として、ボーナストラックの『マシュマロ回答コーナー』を進呈いたします。
追加のご質問などにも対応可能ですので、是非ご覧ください。

■マシュマロ回答コーナー

「記事書くよ!」と言ったところ、色々質問をいただきました。ありがとうございます。
大変お待たせしてしまいましたが、まとめて回答します。

他にもご質問の方は、こちらからどうぞ。
Twitterなどでは文字数制限がありますので、突っ込んだ内容にもみっちりお返事出来ます。

Q:わかみどりさんのレシピにお世話になっている者です。いつもサイドアウトするものに迷います。
基本的には猿4、白単には根本原理パッケージ、と思っているのですが、ドロモカとサテュロスを入れたいマッチにおいて、サイドアウトするカードが足りません…熟慮とか、警告になるんでしょうか?
Q:vs赤黒でドロモカや全除去って入れますか?

A:サイド一覧表を作りましたので、ご参照ください。
【ネオフォーム】など、場合によっては土地を抜くケースも考えられますね。

Q:対ラクドスの時のサイド後、キープ基準が曖昧になっています。
 ハンデスが飛んでくる前提だと、占術でキープできずマリガンが多くなって、真っ白やリリアナで手札を攻められてしまい、緩くキープすると大体ライフ削り切られます。
 ある程度割り切るしかないでしょうか?
A:割り切るべきです。
 基本的にはマリガンを重ねるほどハンデスが刺さってしまうので、「落とされたカードはトップする」くらいの勢いで挑むのが良いと思います。
 【ラクドスミッドレンジ】は手札を攻めることとクロックを並べることの両立は出来ませんので、噛み合って負けることもあれば、逆に勝つこともあるはずです。
 サイド後はラスを沢山入れて、クリーチャーを並べることにリスクを付けるのが良いでしょう。

ここから先は

4,931字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?