【私募社債の購入・発行・管理が行えるwebプラットフォームを展開するSiiibo証券の小村さんと対談#03】Siiibo証券について
スタートアップの融資を支援しているINQの若林( @wakaba_office )です。
前回に引き続き、私のPodcastにSiiibo(シーボ)証券株式会社の代表取締役である小村 和輝(こむら・かずき)さんをゲストに迎え、同社が提供する「Siiibo」について話した内容をお届けします。
Siiiboを利用するとオンライン完結で社債を発行することができます。Siiiboを利用する流れや、有効活用できるシチュエーションなど、資金調達に悩むスタートアップ経営者にとって必読の内容となっています。
前回のnoteを先に読むと、より理解が深まります。
Siiibo証券は社債専門のネット証券会社
若林:今回はSiiibo証券株式会社とSiiiboについて教えてください。まず、Siiibo証券はどのような会社なのでしょうか。
小村さん:Siiibo証券は社債専門のネット証券会社です。社債を発行して資金を調達したい企業と、投資家をマッチングするプラットフォーム「Siiibo(シーボ)」を提供しています。
投資家の方は適合性を確認したリテラシーとリスク許容度が一定あり、リスクマネーを提供してくださる方々になっています。
社債を発行する側の発行企業様は多岐にわたりますが、ベンチャーデット(*1)市場が急速に伸びていることや、弊社自身もベンチャーとしてスタートした背景から、ベンチャーフレンドリーな証券会社としてサービス提供したいと考え、この市場に注力している会社になります。
*1) ベンチャーデットについてはこちらのnoteで取り上げています
Siiiboを使えばオンライン完結で社債を発行できる
若林:では次に、Siiiboについて教えてください。どのようなサービスなのでしょうか。
小村さん:デット性の資金調達ができるサービスで、私募社債(*2)によって資金調達ができるプラットフォームになります。
*2) 少人数私募社債については本連載の2回目で解説しています
若林:私募社債を発行して資金を調達するスタートアップはまだまだ少ない印象です。調達までの流れを教えてください。
小村さん:弊社のサービスの流れは以下のようになります。
このような流れで資金調達をサポートしております。
若林:いきなり投資家を募集するのではなく、投資家に希望条件を聞くのが先なんですね。
小村さん:はい。少人数私募の勧誘対象はお声がけベースも含めて49人以下になります。全然希望と適合していない方でもお声掛けをしてしまうと人数にカウントされてしまうので、効率性の観点から募集に該当しない範囲でのマッチングを弊社でさせて頂いています。
若林:なるほど。勧誘先を50人未満に限定しなければならない課題を、そのような仕組みでクリアしたのですね。
資本投下による成長が見込める状況ならSiiiboを有効活用できる
若林:企業側はどのような状況だと、Siiiboを活用しやすいでしょうか。
小村さん:ある程度トップラインの成長・再現性が見込める事が大切です。例えば、このくらいの資本を投下すれば、このくらいの売り上げ成長が見込める、これまでこういったモデルで蓋然性を持って成長してきた、というのがわかることが、弊社に限らず、デット性の資金調達に適している段階だと思います。
よく言われるのはユニットエコノミクス(*3)が成立しはじめた段階です。
*3) 顧客・製品・店舗などのユニット単位で事業の経済性を測定する指標。コストと収益のバランスが取れている状態を「ユニットエコノミクスが成立している」と表現する。
若林:デットファイナンス(借入による資金調達)が適しているシチュエーションと同じと考えればいいですね。
若林:これまでの利用社数はどれくらいですか。
小村さん:発行社数は2022年11月現在8社(弊社を含む)で、追加発行が多く、 その企業様が2回債、3回債と出されているので、回数で見るともっと増えている状況です。
追加で購入される方も多いですし、新規の方も巻き込んでいくので、企業様は複数回発行する前提でご利用いただいています。
若林:銀行融資でも借り換え、ロールオーバーといって継続的にお付き合いをすることがありますが、Siiibo証券さんでも複数回に分けて調達するのが一般的なんですね。
小村さん:そうですね。銀行融資との違いとしてあるのが、銀行融資の場合は元本を分割で返済するのが基本ですが、社債は一括償還が一般的な事です。
1回で大きな金額を借りると数年後の返済時に同じ規模の借り換えが必要になることもあるので、ある程度何回かに分けて発行していくことで、特定のタイミングに返済が集中しないように、ということをご提案の中で考慮しています。
他の調達手段で動いているときに相談するのがベスト
若林:Siiiboの利用を検討しているスタートアップが注意すべき点はありますか。
小村さん:社債の発行にはある程度の審査が必要なため、借りなければならない直前にご相談いただいてもご対応が難しいことですね。
若林:社債に限らず、資金調達の際はスケジュールに余裕を持って動くのが大事ですよね。
小村さん:平常時から、理想的には、エクイティ調達(株式発行による資金調達)に動いているタイミングからお話させていただけるとスムーズです。エクイティ調達をしたタイミングは調達のための資料も揃っていますし、資金調達に社内のリソースも使える状態になっています。投資家様から見た時も一番信用力が高く見えて発行額も伸びやすいので、ひとつ目安にしていただければと思います。
若林:経営者としては、エクイティが成功したらキャッシュリッチ(*4)になるので安心しがちですが、バーンレート(経営コスト)が上がってランウェイ(資金が尽きるまでの期間)が残り少なくなってから駆け込んでも難しいですよね。
*4) 現預金などの金融資産を多く保有している状態
小村さん:そうですね。ブリッジファイナンス(短期融資)になるほど調達の条件も悪くなり、発行額も伸びにくくなると思います。
若林:他の調達と同時並行で動いて事前にランウェイを伸ばしておくのがベストですね。
小村さん:もちろんどのタイミングであっても対応はさせていただきますので、まずはご相談ください。
資金調達のタイミングでなくても、気軽に相談を
若林:Siiiboで資金調達したいスタートアップは、まずはどのようなアクションを起こせばいいですか。
小村さん:まずはお気軽にご相談ください。SiiiboのWebサイトからでも、私のSNSからでも構いません。
証券会社に連絡すると思うとハードルを高く感じるかもしれませんが、同じスタートアップ経営者として、組織の悩みなども私でお役に立てることがもしあれば何でもお伺いさせていただきます。
資金調達のタイミングでなくても、金融業者に連絡するというよりは、ベンチャーに連絡するくらいの感覚で声掛けいただければと思います。
若林:小村さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
まとめ
Siiibo証券株式会社の小村さんをゲストに迎え、少人数私募社債を発行・購入できるプラットフォーム「Siiibo」についてのお話を聞きました。
Siiiboを使って私募社債による資金調達を相談したい方は、以下からお問い合わせください。
Siiiboのサービスページ
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