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聖書タイム

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山形優子フットマンが綴る、楽しく、優しく、そして日々の生活に根ざした聖書のおはなしです。毎月更新いたします。
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#福音書

4月の聖書タイム:「門を開けたバラバ

by 山形優子フットマン 「ピラトは、言った。『真理とは何か。』こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。『わたしはあの男に何の罪も見いだせない。ところで過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。』すると、彼らは、『その男ではない。バラバを』と大声で言い返した。バラバは強盗であった。」ーーヨハネによる福音書18:38~40 みなさん復活祭(イースター)おめでとうございます。復活祭はキリストの十字架の死

2月の聖書タイム「愛の源に繋がろう」

by 山形優子フットマン 「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」     ーーーヨハネの手紙1、4:19 2月と言えば14日のバレンタインデー。日本には翌月のホワイトデーまで視野に入れた義理チョコもあるので、早春の巷は賑わいます。英国でも赤バラの価格がこの日だけは釣り上がり、カード交換、レストランではカップルの予約が立て込み、「愛」につけ込む商魂がひときわ目立ちます。でも、コマーシャリズムに乗って財布の紐を緩めても、来年のバレンタインデー

2023年10月の聖書タイム「恵は増えに増える」

by 山形優子フットマン 「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」 ーーーヨハネによる福音書6:9 みなさん、日本で一ヶ月ほどの休暇を過ごしてきた私ですが、英国に戻って何が一番恋しいかというと、季節感のある美しい新鮮な魚が店頭に並ぶ有様です。秋はなんといっても秋刀魚。日本のニュースでは「今年は海流の温度の変化から、秋刀魚が不漁で、形も小さく、その割には値段が高い」というような話題が連日のよう

2023年6月の聖書タイム「あなたのために天使を送る神」

 by 山形優子フットマン 「恐れることはない。わたしはあなたと共にいる神。たじろぐな、わたしはあなたの神。」ーーーイザヤ41:10 冒頭の旧約聖書の句は、神が預言者イザヤを通して語りかけている言葉で「恐れることはない」が第一声。神は、私たちが本当に臆病で怖がりなのを、ご存知です。人が問題に直面した時、悩む場合、たちまち恐怖は暗雲のように広がり、目先真っ暗となります。同じ問題に直面しても、恐怖心さえなければ異なる対応ができるはずなのに。つまり恐怖こそが、人の足を引っ張る大