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投資初心者にソーシャルレンディングをお勧めできない理由

こんにちは、Robinです。

先日、日経新聞にソーシャルレンディングの融資先を今後は投資家に開示するとの記事が掲載されました。

記事によれば、「これまでは借り手企業の情報が伏せられており、個人が安心して投資できないうえに、匿名での調達に目を付けた企業に悪用されることがあった」とのことです。

借り手の情報が伏せられている理由は、貸金業法の規制によるとのこと。
 「貸付型クラウドファンディングを手掛けるファンドは、貸金業法上の貸金業者として扱われている。貸金業は借り手の保護が重視され、借り手を特定できる名称や事業内容は原則として開示できない。借り手が優良なベンチャー企業でも、投資家には分からない状態にあった」

今回の規制の背景は、今年3月にソーシャルレンディング運営会社の「みんなのクレジット」が業務停止命令を受けたことが影響しているようです。

ふーりんはソーシャルレンディングに手は出していないのですが、このニュースを見たとき、財務諸表はおろかどこに貸出しているかわからないファンドにお金を出して投資するなんて、よくできるなあと感じました。

貸付先の企業が、貸付金の利息と元本をそれくらいの確率で返済できるかどうかを調査することを信用分析といいます。基本的にお金を返せる可能性が高ければ高いほど利回りは低くなり、逆に返せる可能性が低いと利回りは高くなります。この、これぐらいの返済可能性なら、これぐらいの利回りだろう、というのを判断するのは、実はかなり難しく、それなりの金融知識が必要とされますが、個人でそうしたスキルを身につけている人はかなり少ないのが実情かと思います。

そもそも銀行が個人のお金を預かり、それをもとに企業に融資するビジネスが成り立っているのも、企業の信用を分析することが専門的な知識やスキルが必要であり、個人では難しいからです。

ファンドによっては10%を超える利回りのファンドもあるようですが、どのような企業に貸付されているのかさえわからない状態では、返済されないリスクも見積もれませんし、その利率がリスクに見合って適正な水準なのかさえ分かりません。実は10%どころか、20%、30%の利率じゃないと貸せないような先かもしれません。

ソーシャルレンディングを勧めるブログをよく見かけますが、こうした貸し倒れリスクはかなり過小評価されているように思われます。貸し倒れすれば当然元本は毀損し、貸付金は全額戻ることなく個人投資家は損失を被ります。

株と違って貸付金にはキャピタルゲインが期待できないので、繰り返しになりますが、どれくらいのリスクでどれくらいの利息収入を得られるかを見積もることが信用分析の要であり、現状では個人、特に初心者の投資家には難しくかなり負担が大きいと思われます。

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