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戦略の本質は『方向性を決めること』では、ない

戦略を調べると「方向性」、「方針」、「コアバリュー」などが出てきますが、本当に大事なものはその一歩先なんだよという話。

戦略と戦術の正しい関係

少し小難しいことを承知で言えば、
戦略はコンテンツフリーな「構造」でしかないので、
そこからどんな実体を作るかを決められる自由度があるということです。
その自由度があるからこそ、決める意味がある。

プログラミングで言えば、戦略は「Class」、戦術は「Instance」です。
(分かる人にはこれが一番分かりやすいと思うw)

が、これではさっぱりだと思うので、ここから分かりやすく説明していきます。(逆に、これで分かった人は読む必要無いですw)

方向性を決めることがゴール?

「戦略を決める意味は、戦略の一歩先のためにある」のに、
何故か「方針を決めるのが戦略」止まりになってしまっているという話。

これは、事業戦略とは何か?が分かる人が経営陣におらず、欧米からの輸入によって「事業戦略といえば戦略コンサル」という図式が出来上がってしまったことが悲劇の始まりだと思っています。

別に戦略コンサルのせいというわけではないのですが、「他人にビジネスとして依頼する」という構図がダメなわけです。

何がダメなのかというと「何も分かっていないままに」「ビジネスとして依頼する」となると、基本的に「相手のやりやすい形」になります

特に戦略なんて、非常に面倒くさいものの極みみたいなもんですから、尚更相手のアウトプットしやすい形に沿うことになります。

そこで出来上がった構図が「(コンサルが)戦略を決め、(コンサルが)戦術(プロジェクト)を決めて、(コンサルと自社が)実行する」というひと単位です。
上を簡単に言えば「方向性を決めて、具体的なプロジェクトという形でやり方も決めてあげて、実際にやってあげる」ということ。

これの何が悪いか、分かりますか??

戦略とは『各自で戦術を決められるようにする』ためにある

まず戦術とは、「具体的なやり方」のことです。

例えば戦国時代だとして、「山の上にある大岩を転がして山腹にある城を壊す」という戦略だったとします。

そのために、各部隊は何をしたらいいでしょうか?
誰から指示をもらえますか?
突然敵に襲われたら、どうしたらいいでしょう?
ホラ貝で本部に指示を請いますか?w

この場合に戦略が役に立ちます。

自分たちの立ち位置、味方の別部隊の数や進軍経路、それを総合的に考えて、この敵を引きつけて遠くに逃げるべきかも知れないし、倒さなければならないから別部隊に合流する必要があるかもしれないし、時間的にそろそろ大岩が転がってくる頃だからその導線上に移動して自滅覚悟で圧死させるべきかもしれない。

それらの具体的な行動が戦術です。

もちろん前もって、作戦本部である程度の戦術は定まっているでしょう。
ですが、一歩戦場へ出た各部隊がそれぞれの頭で考えて
「最適な行動を取り」
「最高の結果を迎える」

ことが出来るのは、
方針となる『戦略』があるからです。

他人に戦略を投げっぱなしにすることは、何が悪かったのか?

さて、ここで振り返ってみましょう。

「(コンサルが)戦略を決め、(コンサルが)戦術(プロジェクト)を決めて、(コンサルと自社が)実行する」というひと単位。

ここに戦術を各部隊が決めるフェーズはありましたか?

そうです。一番大事なのは
「戦略を元に各自が戦術を決められる状態」なのに、
戦略は元より、戦術すらも他人が決めている状態になっています!

それはどんな素晴らしい言葉で飾った戦略であっても、戦略として成り立っていないと僕は考えます。

まずは
あなたの言葉で戦略を立て、
戦略を元に各自が戦術を考えて、
行動できる
という文化を創るべきなのです。

その大前提が機能した上だからこそ決めた意味があるもの、それが戦略であり、方針を決めるだけではありません。
その一歩先の戦術を決めるためにある。
それが本質です。

その文化を創るところからお手伝いするのが、
我々事業策定家の本当の仕事です。

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