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インド人もびっくり『カレー』

インスタントカレールーを発明したのは日本人だ

びっくり成分


インド人もびっくり


ドバイでいつもお世話になっていた
モイディーンさんというインド人ドライバーは
わが船のカレーを

『(インドの)我が家のカレーの次に美味しい』

といって金曜カレーを楽しみにしていた。
 ある時我が船の調理員長に

お前のキッチンで調合しているスパイスを教えて
と懇願してきた。
ドバイ単身赴任(出稼ぎ?)の彼は宿舎でカレーを
作るがスパイスの調合が難しいと頭を抱えていた。
 

『我が家の次』

彼は本心で我が船カレーを気に入っていた。
私はドバイやUAE各地で行う市場調査のため
モイさんの運転で色々な場所へ行った
本当に恩人で大変お世話になった。

調理員長も食材の品質調査や仕入れ先の確認など
でモイさんの運転で出かけていた。
 
この時調理員長は
「本当に困っていた。」
 
自衛隊の艦船にも10種類程度のスパイスなら
常備している。
 
ただし船で作るカレーのベースは市販の業務用
カレールーだ。
船によってはターメリックやクミンなどのスパイス
を加えS&B赤缶や辛味スパイスで味を調整する。
 
ウソの付けない調理員長はモイさんへ
「市販のルーに若干アレンジしているだけだ」
と答えるしかなかった。
 
しかしインド人のモイさんは
『配合済みカレースパイス』
の存在は知っていても

『それだけで美味しいカレーが作れる』
とは信用していなかった。
 

日本製カレールー

仕方なく調理員長は彼が家族へのお土産用に
シンガポールの明治屋で購入した
『日本では見ない日本製カレールー』
を差し出し
概略の作り方を片言の英語で説明した。
 
しかし、インド人にとってカレーは
『家庭ごとに違う味』だ。

インスタントのカレールーで美味しいカレー
が出来るなんて信用できない
・・・・納得のいかない表情で帰っていった。
 
数日が過ぎドバイへ入港すると
大柄のインド人モイさんは満面の笑みで岸壁に
スタンバイしていた。

調理員長を見つけたモイさんは抱きつかんばかりの
勢いで突進してきた

「マスターの言う通りに作ったら我が家のカレーと
同じくらいうまいカレーができた」

 
彼は本当に小躍りしていた。
 
彼の家族が住むコーチンには
街中に美味しいカレー店がある。
日本人からすれば格安と呼べる金額でカレーが
食べられる・・・ただしどの店も結構辛い。

インド人は日本人より辛いカレーがスキだ。

ただしインドの『おうちカレー』は日本人が眉を
吊り上げるほど辛くないそうだ。

カレーは毎日食べる料理なのでお店のカレーのよう
にスパイシーだと胃が持たないそうだ。
インドのおうちカレーは
『日本の辛口カレー』程度のようだ。
 

ハウスジャワカレー恐るべし

インド人を唸らせたのだ。
 
インドの家庭でも配合を誤ればカレーはまずくなる

家庭調理人の腕が試される。
 
カレーのスパイスは漢方薬の材料と同じで
絶妙のさじ加減だ
熟練の技能者でも失敗することもある。

インド人はプライドが高く自分の非を認めない。
プロならなおさらだ。

しかしインド料理は『ほとんどカレー』だとしても
日本で食べられるインドカレーのように辛い
バージョンだけではない。

家庭オリジナル「辛くないカレー」もあって当然だ。
余所行きではない家族用のカレーだ。
 
インドには日本のS&Bやハウス食品が作る
『万能カレールー』は存在しない。
 
仕方がないので各家庭ではスパイス市場で香辛料を
買い我が家メイドで調合している。
 
ただし、スパイスの品質にはクラスや出来不出来が
付きまとい、分量が大まかだと味にはバラつきが
生じる。
 
日本人は気が付いていない。
世界で一番簡単にできる美味しいカレーを食べて
いるのは『日本人だという事実を。』

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