スリル
この1週間で急に冷え込み、すっかり秋が顔を出してきた。いや、むしろ遅いくらいかもしれないが。
お昼ごはんも温かいものを欲して食べたくなる。
体は正直だ。
今日は麺ものが食べたい気分だったので、カレーうどんを食べることにした。とはいえ、お店ではなくスーパーのやつだけど。
カレーうどんとおにぎり2個にだし巻きが3切れ入ったお弁当的なものを購入し休憩室に向かう。
ちょっと待てよ…
気づいたのは買った後で時すでに遅しである。
めちゃくちゃ白い服を着ているじゃないか。
これはまずい。非常にまずい。
カレーうどんを食べる時に白い服を着ているという現象は個人的にすべての現象の中で5本の指に入るくらいスリルを伴う行為だと勝手に思っている。(だいぶ偏見)
意図せずこの5本の指に入るスリルを自ら味わいにいってしまっていた。
こうなれば仕方がないので、周りに悟られないように静かに対策を立てる。
レンジで温めている2分半の間で練った対策はこうだ。
「めちゃくちゃ口を近づけて出来るだけすすらない」
いたってシンプルな答えに辿りついた。
「こんな時にスマホに頼れよ」と思ったのも食べ始めてからである。最近、事を起こし始めてから納得解を思いつくことが多い気がする。
そんなこんなで細心の注意を払い、慎重に食べ進める。もちろん味わいながら。
午後からの仕事で使うはずだった集中力という名のエネルギーを余分に使ってしまったが、結果としてカレーの汁を1滴たりともこぼさずに食べ終えることが出来た。
食べ終えると、今年1、2を争う謎の安堵感が体全身を駆け巡った。
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