21エモンの最終回
中学生の時、『21エモン』というアニメがすごく好きでした。
家庭の事情でけっこう辛い毎日を送っていた私ですが、「今週も『21エモン』が放送されるから頑張ろう!」って思えるくらい好きでした。
藤子・F・不二雄氏の未来を舞台にした漫画が原作です。
ホテル経営をしている家の子ども、エモンと宇宙生物モンガー、芋掘りロボットのゴンスケが宇宙を冒険するお話。コミカルでブラックジョークあり、考えさせられる社会問題がテーマの回もあり、展開も毎回捻りが効いていて、子どもも大人も楽しめるアニメだと思います。
アニメに現実逃避しなくちゃ、自分を保てないくらいギリギリだった当時の私。だから最終回の時はすごく悲しかったです。来週から一体何を励みに生きればいいの、と思うくらい落ち込みました。
でも、最終回の最後の最後、いつもはないナレーションが流れたのです。
うろ覚えですが、こんな内容で……
「あなたがもし、地球を離れて、暗闇の中で道を見失ったとしても、けっして諦めないでください。
闇は孤独なところではなく、命が生まれる場所で、私たちはもともと暗闇から生まれた宇宙のかけらなのですから。
いつもあなたのふるさと、地球が美しく輝いていることをわすれないでください」
この言葉はずっと私の心の中に残っていて、眠れない夜、何度も繰り返し思い出していました。
優しくて温かい言葉。
問題の渦中にいると、不安で胸がいっぱいいっぱいで視野が狭くなり、疲れ果てて人に相談することすらできなくなります。そんな時、少しでも心を癒す言葉を知っていたら、人はそれだけで耐えられます。どんな高価な物よりも、心を守る言葉のほうがずっと価値があると思う今日この頃です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?