Kindle Unlimitedで目に留まって読んでみた本です。
著者の渡邉恵里先生は、小児科医、そして、子どものこころ専門医です。
最近の不登校児に対するアプローチとして、ざっくりいうと「学校に行きたくないなら無理に行かせる必要はない、好きなことをさせれば良い」というものが多く聞かれます。
私自身その考え方におおむね共感してはいるものの、果たして学校に行かないで家で好きにすごすだけにさせておくことで本当に良いのかどうか、不安も感じています。
そんな中このタイトルに魅かれて読んでみることにしました。
渡邉先生は、哲学者スピノザの考えをベースにアプローチすることによって、患者さんが元気になりやすくなったとのことで、スピノザの考えを紹介しています。
そして、実際にどんなアプローチを取れば良いかということも書かれています。
上記は能動性を増やすための方法で、そのあとの章では受動的な立場を減らす方法についても記載されています。
受動的な立場を減らす方法の中の一つには、精神疾患に該当する状態であれば薬物療法がないと回復しにくいことがあるため、精神科や心療内科で相談してくださいと言ったことも書いてありました。
タイトルは、「好きなことだけさせてはいけない」という近年よく見るアプローチへの反証のような感じでしたが、書かれている方法論は、子どもに寄り添うという意味で似ているなと思いました。
取っている手段は似ていても、最終的に子どもが幸せになるとか、自立するというゴールにたどり着くプロセスとして、この本に書かれていることはとても合理的だと感じました。
実際には書かれていることは本当に正攻法で、娘に書かれている通りにアプローチしても娘が自分の感情に向き合ったり、それを私に語ったり、葛藤から逃げないようになったりするには、結構時間がかかるんだろうなとも思います。
じっくり取り組んでみたいと思います。