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放射線治療に関連する認定資格の受験資格について(これから目指す診療放射線技師向け)

前回、認定資格の話をしたので、ついでに今回は私がメインで従事している放射線治療に関する認定資格の話をさせて頂きたいと思います。
※以下の情報はすべて投稿時(2023年3月現在)のものです。最新の情報はホームページ等で確認いただいた方がよいと思います。

診療放射線技師が放射線治療関連で取得しようと思った時に挙げられる認定資格には、以下の4つがあるかと思います。
・放射線治療専門放射線技師(日本放射線治療専門放射線技師認定機構
・医学物理士(医学物理士認定機構
・放射線治療品質管理士(放射線治療品質管理機構
・治療専門医学物理士(医学物理士認定機構

(長くなってしまうため)認定機構が掲げるそれぞれの役割等はホームページを見ていただくとして、今回は取得を目指す際に個人的に注意しておいた方が良いと思う点をいくつか簡単に述べていきます。

まず、放射線治療品質管理士を取得するためには「放射線治療専門放射線技師(治療専門技師)」もしくは「医学物理士」が必要になります。また、治療専門医学物理士を取得するためには「医学物理士」が必要になります。ですので、多くの人はまず「治療専門技師」か「医学物理士」を目指すことになるのではないかと思います。

治療専門技師の受験資格には、以下の要件を満たすことが必要となっています。
・診療放射線技師の免許を有する者
・放射線治療に関する診療業務を通算5年以上おこなっている者
・公益社団法人日本放射線腫瘍学会、公益社団法人日本放射線技術学会、公益社団法人日本診療放射線技師会のいずれかに入会して5年を経過した者
・申請時より過去5年以内に、別に定める認定単位を20単位以上取得していること。ただし、そのうち10単位以上は、本法人が定める必須単位であること.
・放射線治療に関する業績を有することが望ましい

ですので、治療専門技師を目指す際のポイントは「治療経験」「学会所属年数」「セミナー等の参加」のすべてが必要であり、受験しようと思ってすぐに受けられる訳ではないことに注意が必要です(実際、私の知り合いで受験しようとしていた人が、入会5年に届かずその年は断念した方もいます)。

医学物理士の受験資格は、日本医学物理学会の正会員で、次のいずれかを満たす者に与える、とされています。
・機構認定の医学物理教育コースに 1 年以上在籍または修了した者
・理工学系修士以上の学位を有し(取得見込みを含む)、医学物理士認定制度施行細則に定める業績評価点 5 単位以上を有する者
・放射線技術系修士以上の学位を有し(取得見込みを含む)、細則に定める業績評価 点 5 単位以上を有する者
・医学系研究科に設置された医学物理に関する課程の修士以上の学位を有し(取得見込みを含む)、細則に定める業績評価点 5 単位以上を有する者
・学歴によらず医学物理の発展に寄与したと特に認められる者

色々と書いてありますが、簡単に言うと医学物理士の受験のためには基本的に「大学院進学(修士号以上の学位)が必要」ということになります(特例措置もありますが、令和7年4月から廃止されるようです)。また、やはり「学会入会」や「セミナー等の参加」も必要です。

他のモダリティでもそうだと思いますが、基本的に認定資格は、知識があってお金を払えばすぐに受験できる、という訳ではありませんので、興味がある方は何が必要なのか事前によく調べていただいた方がよいかと思います。

「治療関連の資格が4つもあるなんて、住み分けはどうなってるんだ?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、それについてはとてもとても長くなってしまいそうなので、今回は割愛させていただきます。いずれ機会があれば、その辺りの事ももう少しお話したいとは思っています。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


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