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波乱の日々

一緒に住み始めて認知症状で大変という事は感じられなかった。以前と変わらぬ親の様子。嫌な事言ったり、相手の気持ちを考えて話すなんてことはない親だったから、認知だから、こういう発言とは思えなかった。後々これもだからなのかという、状況になる。

会話の節々に違和感を感じる事はあった。ある日食器洗をしていたときの話し…親に残りの食器を洗っておいてと頼むと、食器用洗剤(昔でいう、ママレモン)が分からないと言ってくる。「えっ、目の前にあるよ」と伝えるが「どれ、これ、どれよ」と話し出す。嘘でしょ。何ふざけてんのよ…と思っていた。しかし、暮らしの中で親が判らない物が増えていることに段々と気付いていった。
(公衆電話、醤油、みりん、セロハンテープ、のり等)TVを見ながらは普通に親の年代にあった人の名前を話しながら観ている。そこは普通だなと感じていた。

買い物や散歩も新しい場所で一人で行っても迷わず帰ってくる。ある書籍でアルツハイマー型認知症は道に迷う。必ず迷うと書いてあった。親は、全く迷わない。
ここで、明らかに私は親の診断は違うのではないだろうかと疑った。あらゆる認知症の本を読んだり、認知症の種類、症状を調べ始めた。そこで、認知症の種類が、一般的に認知されている、認知症以外にもあることを知る。絶対に書籍を出されている医師へ受診させようと必死に調べた。そして、予約を取り受診の予定をした。

距離があり泊りがけで連れて行く事になる。ホテルに泊まり、温泉に入り穏やかな親の表情は今でも忘れていない。

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