見出し画像

「いい子だから、大きくなるなよ」〜熊とじいちゃんの物語⑥


子熊は、日に日にパンチが上手くなっていった。

「さて、ここから、どうするか」

じいちゃんは、考えた。

そして

あの母熊を撃った男達に連絡をしたのだ。

「熊が出た」と言うと

すぐに来た。

そして
家の中にいる子熊に驚いた。

彼らが動揺するのも無理はない。
子熊は、短く毛を狩られている。
そして、おとなしく座っていた。

でも、じいちゃんの話を聞いて

協力してくれる事になった。


実際にパンチをする子熊を見て

どれだけ驚いたかは、皆さんの想像力にお任せする。

そして、彼らが驚いたのは子熊だけではなかった。

両足を開き、少しかがんでパンチをする、85歳のじいちゃんの姿だった。

その後に子熊のパンチを見た。

もちろん、サーカス団でもないのに
子熊が、立ってパンチするなんて
前代未聞だ。

彼らは、スマホで撮影し
知り合いのTV関係者に送った。

始めは、合成だと言って
信じなかったが

違う、と何度も話すと

近いうちにTV撮影班が来る事になった。

新鮮ネタには違いない。

じいちゃんは、ホッとした。
間違ってなかったのだ。

子熊は、みんなが驚くのが面白くなり

いつもよりも、パンチを続けていた。

つづく🐻

アレルギーっ子が主人公の絵本を出版し、それを全国の園児や低学年のお友達に読み聞かせをしたいという夢があります。頂いたサポートは、それに使わせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。