構えと存在①

「リハビリテーション原義主義」とは、
わが国において医療福祉分野の意味で通っている”リハビリテーション”を、元々の意味である”復活”や”復興”に照らし合わせて、その意味を再編し、「(苦難にあっても)再び自分らしく生きる」という個人の意思と、それを適切に受容する社会の在り方を、本来の”原義に基くリハビリテーション”として、その価値を強く提示する考えである。
リハビリテーション原義主義の核心となる概念が 「構え」と「存在」である。
「自分らしく」生き続ける上での、人生のリハビリテーションを個人・社会相互に包容する世界。その為の「構え」とは、社会に対する個人の主観的な概念、「存在」とは個人に対する社会の客観的な概念である。

これまで私は多くの方の(医療福祉サービスとしての)リハビリテーション支援に関わってきた。
ほぼ皆さんは、心身の障害という苦難に遭われて、そこから何とか立ち直ろうと、必死にもがかれていた。
心身の障害という”苦難”は、そのほとんどが根本解決しない。それが分かっていながら、皆、前向きに実直である。
ほとんどの方が、私より年上で、人生経験も比べ物にならない程長く、深く、
人生については、私の方が教えを乞う立場であろう。
そんな方々が、”支援者”である私の前で、懸命に身体的なリハビリテーションに取り組まれている。
少しでも良い変化が出た時に垣間見せる心からの笑顔。
その姿は、純粋で、率直に美しく感じた。尊いものだった。
この人達も、「再び自分らしく生きたい」と願っていた。
私は彼らから、本当の苦難に遭った時の、人間の強さ・美しさ・尊さを学んだ。
私達は、いかなる苦難が来ようとも、自分らしさを再び求めて生きていけると確信したのだ。

次稿に「構え」について記す。

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