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1999年9月10日(金)

【冒険者組織本館:円 隆弘・草野 良輔】
「このギリギリで申し込む俺らカッケーよな」
「その感覚は俺にはわからんわ」
 何か非常にワクワクした感じを醸し出しながら円 隆弘が発した言葉を聞いて、草野 良輔は冷静に感想を述べた。ここは17時過ぎの冒険者組織本館。定時に仕事を終えて退勤する職員たちがちらほらと歩いているのを見かけることができる。本日は21期試験申し込みの最終日であり、先程の17時を持って締切となっている。円と草野はその17時ギリギリを狙って申し込みを行っており、あえてギリギリに申し込んだのは円の意向である。
「え、だって最後に申し込むって何か余裕な感じがするじゃん。それで楽に合格したら素敵すぎて笑う」
「単なる中2病的な気もするが」
 今の状況について詳しく円が説明するも、草野はやはりその感覚について理解ができていないようだ。2人は申し込みを済ませた後は少し冒険者組織南地区を散策し、県道337号線に戻る。この後はバスに乗って竜田口駅まで移動し、JRで武蔵塚駅に向かうこととなる。一旦この辺りで先に夕食を食べようかと少し悩んだが、どこで何を食べれば良いかの情報が全くなかったので、一旦バスに乗って竜田口駅に向かう。そしてそこからJRに乗ろうと思ったが、駅の手前にあるパチンコ屋『エンペラー』から尋常ではない引力を感じてしまい、2人は少しパチンコを打ってから帰ることにする。結局この判断は大いに正解であり、2人の座った“CR海物語3”は2台ともたまたまではあるが、フィーバーしまくって大量の出玉を獲得する。結局閉店の時間まで遊戯を続けた2人はウハウハ状態で店を後にし、武蔵塚駅まで移動したあと、近くの焼肉屋でおいしい焼肉をたらふく食べたのであった。

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