1996年10月21日(月)《BN》
【熊大迷宮:リフレーッシュ部隊】
「野末、お前が帰ってくるのを待っていた」
「良し、1番乗り!」
出現したペケが戦わずして消滅していくのを見て野末 和久は喜びの声を上げた。ここは熊大迷宮。リフレーッシュ部隊は本日も地下7階のボスであるペケの部屋を訪れている。ペケ戦に入って1ヶ月半ほどが過ぎ、戦士の3人ともある程度余裕を持って戦えるようになっている。またこの部隊の戦士である野末、中込 翔太、森野 敏志の3人は実力が伯仲しており、誰が1番目にクリアしてもおかしくなかった状況である。満面の笑顔を浮かべて後ろを振り返ると、何やら悔しい表情を浮かべる中込と森野、そして祝福の拍手をしてくれている茂木 逸見、羽馬 真以子、秋月 聖奈が目に入る。そしてその5人に対して大きくサムズアップをした後、合流するために歩を進めた。
「今回は俺が1番だと思ってたのにな」
「俺はこれでクリアできれば一応並ぶ」
相変わらず悔しい表情で中込が言葉を漏らし、野末が戻ってくるのを待ってカエルの彫像への移動を開始した森野が考えを口にする。今回のペケ戦は中込、野末、森野の順番で行っているので、野末が成功した時点で中込は先を越されたことになるが、森野は今回クリアということになれば野末と同着ということになる。クリアしろという強い願望を胸に秘めながら森野はカエルの彫像を動かした。
「森野、うぬが命以外もはや何もいらぬ」
出現したペケはやる気満々の表情で定型句を口にし、笑顔を浮かべている。これをみた森野は大きなため息をついた後、気合を入れ直しペケ戦を開始した。この後、この戦闘には森野が勝利し、回収と回復を待って追加で2回ずつペケ戦を行うことにする。だが本日は中込も森野もクリアは出来ずに迷宮を後にしたのであった。
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